偏に巨像の前の盲人に同じ

2014-03-21 12:13:42 | レビュー系

 

想像力の欠落した人間というものは、ある種の極限状況においても自分が上手く立ち回れると考えてしまう。いやそこまでなくても、その状況を少なくとも正しく認識はして抗うなり何なりするはずだ、などと考えてしまいがちなのである。しかし、先の震災の被害や混乱を持ち出すまでもなく、そのような状況などまったくの幻想に過ぎないのである。この世界に「完全情報」が与えられた状態など、実際には皆無であるのだから。

このようなことを言われても、なかなか実感することが難しいかもしれない。そういう人については、「クローバーフィールド」という映画を見てみることをお勧めしたい。その中で、いかに我々が主人公の英雄的な行動力・判断力を(不自然にも)自明と思っているかに気付き、そこから(たとえば)アルマゲドン的世界観の呪縛を免れる契機が生じることだろう。


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