そうすると、「山狗」などを使える立場にいる鷹野が父母殺しの最有力候補となる。あるいは入江に護衛が付いていたという状況も想定できるのだが、現場の研究者がデリケートな交渉までやるのは少し奇妙に思える(たとえ彼が「極悪人」という煽り文句の対象になっているとしても、だ)。よって、どちらか片方は鷹野と護衛グループによって消されたと考えるのが妥当だろう(前述のプレゼン後の会話からすると可能性は落ちるが、富竹―鷹野という共犯の可能性も否定できない)。う~ん、なんて普通の結論だ。でもまあ突き詰めていくとここに行き着くんだよな…。
さて、殺害理由よりも犯人の推理などに時間をかけてしまったが、ここで本題に戻そう。沙都子父母の死は、何かしらの交渉の場で起きた「不幸な事故」であったと推測される。ではその内容はどんなものだったのだろうか?北条家の遺産・通帳を推測の材料にして考えると、可能性は三つある。まず第一の可能性。北条家は事件前から沙都子の実験を通して入江機関から金をもらっており、事件はその条件変更等の交渉中に起こった(祟編橋の上での沙都子の述懐を聞くかぎり、すでに児童相談所への訴え頃には症候群の症状が出ていたようだ。発症は祭具殿侵入によると思われる)。
次は、沙都子をモルモットとして提供するか否かという交渉だった可能性。皆編の梨花の述懐からするとこれが一番ありえる。またこの場合、多額の遺産は全てダム関連のものになる(交渉が決裂した死人にわざわざ与える金はない)。とすれば、ダム推進派の北条家に対し、立場的に「ダム反対派」の鷹野たちが政治的な取り引きをしようとした可能性もある(沙都子とどちらにプライオリティがあったか不明だが、皆編の梨花発言を重視するならやはり沙都子優先だろう)。なお政治的取り引きとしては、北条家と政府との癒着に関する情報を鷹野側へ流す、などが考えられる。
最後の可能性は、北条家に金を渡していたとされる政府との交渉中に死んだ、というもの。もっとも、この期に及んで大した伏線もなく国家関連の新勢力・新事実を出すのはひんしゅくを買うだけだから、まあこのパターンはないと踏んでいる。なおこの場合、ダム計画頓挫の一年目ということもあり、その事後処理のための交渉だった可能性が極めて高い。だから例えば、生活保障などに関する話の折り合いが付かず、北条側が賄賂の事実をバラすとか何とかで争いになって…というあたりか(また大石が事件前北条家に出入りしていたとされるが、これは単なる警告だったと私は考えている)。
結論。L5の症状を発症した沙都子をモルモットにしようとしたが、困窮し、また気の強かった北条夫妻との交渉が行き詰ってしまう。そこで鷹野が綿流し日に再び交渉を試みるが、ここで事故が発生してどちらかが死亡(婦人の可能性が高い)。いきり立った沙都子の父を山狗が処理し、「オヤシロさまの祟り」に見せかける…おそらくこれが二年目の北条夫妻の事件の真相だったのではないだろうか。
さて、恥さらし(笑)が終わったところで、祭編で解決されなかった謎について少し書こう。
◎強調されてきた通帳は結局なんだったのか?
◎『私的捜査ファイル』にある自衛隊の家捜しの目的及び真相は?
◎昭和57年における北条叔母殺害をどの世界でも警察が事前に押さえられない必然性はなに?
などなど。詳しくは別途述べることにしよう。
さて、殺害理由よりも犯人の推理などに時間をかけてしまったが、ここで本題に戻そう。沙都子父母の死は、何かしらの交渉の場で起きた「不幸な事故」であったと推測される。ではその内容はどんなものだったのだろうか?北条家の遺産・通帳を推測の材料にして考えると、可能性は三つある。まず第一の可能性。北条家は事件前から沙都子の実験を通して入江機関から金をもらっており、事件はその条件変更等の交渉中に起こった(祟編橋の上での沙都子の述懐を聞くかぎり、すでに児童相談所への訴え頃には症候群の症状が出ていたようだ。発症は祭具殿侵入によると思われる)。
次は、沙都子をモルモットとして提供するか否かという交渉だった可能性。皆編の梨花の述懐からするとこれが一番ありえる。またこの場合、多額の遺産は全てダム関連のものになる(交渉が決裂した死人にわざわざ与える金はない)。とすれば、ダム推進派の北条家に対し、立場的に「ダム反対派」の鷹野たちが政治的な取り引きをしようとした可能性もある(沙都子とどちらにプライオリティがあったか不明だが、皆編の梨花発言を重視するならやはり沙都子優先だろう)。なお政治的取り引きとしては、北条家と政府との癒着に関する情報を鷹野側へ流す、などが考えられる。
最後の可能性は、北条家に金を渡していたとされる政府との交渉中に死んだ、というもの。もっとも、この期に及んで大した伏線もなく国家関連の新勢力・新事実を出すのはひんしゅくを買うだけだから、まあこのパターンはないと踏んでいる。なおこの場合、ダム計画頓挫の一年目ということもあり、その事後処理のための交渉だった可能性が極めて高い。だから例えば、生活保障などに関する話の折り合いが付かず、北条側が賄賂の事実をバラすとか何とかで争いになって…というあたりか(また大石が事件前北条家に出入りしていたとされるが、これは単なる警告だったと私は考えている)。
結論。L5の症状を発症した沙都子をモルモットにしようとしたが、困窮し、また気の強かった北条夫妻との交渉が行き詰ってしまう。そこで鷹野が綿流し日に再び交渉を試みるが、ここで事故が発生してどちらかが死亡(婦人の可能性が高い)。いきり立った沙都子の父を山狗が処理し、「オヤシロさまの祟り」に見せかける…おそらくこれが二年目の北条夫妻の事件の真相だったのではないだろうか。
さて、恥さらし(笑)が終わったところで、祭編で解決されなかった謎について少し書こう。
◎強調されてきた通帳は結局なんだったのか?
◎『私的捜査ファイル』にある自衛隊の家捜しの目的及び真相は?
◎昭和57年における北条叔母殺害をどの世界でも警察が事前に押さえられない必然性はなに?
などなど。詳しくは別途述べることにしよう。
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