「陰謀論」の危険と魅力:世の中を単純化することへの誘惑

2021-05-07 11:53:53 | アホリズム

・共産主義が拡大したのは、日本国の陰謀によるものである。以下、その理由を示す。

 

・日露戦争を起こし、帝政ロシアを追い詰めることで第一次ロシア革命を勃発させたが、この革命は日本軍部が扇動したものである。

 

・ソ連の成立に対しシベリア出兵の準備がおざなりだったのは、自国は共産主義にシンパシーを抱いていないかのように見せるとともに、ソ連国内を外的に向けて団結させるためである

 

・ソ連が周辺国から弾圧されるのを見て、日本はカモフラージュするために治安維持法を制定し、国内の共産主義者を弾圧した。しかし、共産主義勢力を隠然と支援することは継続した。

 

・中華民国では国共内戦が行われていたが、日本は共産党に強い敵意を抱く蒋介石の国民党と戦争状態に入ることで国共合作を促し、これが後の中華人民共和国設立へとつながる。

 

・国境線の兼ね合いでソ連と衝突する場面があったものの、資本主義陣営の方が重要な敵ということで南進論を採用。日本はアメリカなどと戦端を開くにいたる。

 

・その結果ドイツの侵攻で苦しんでいたソ連は二正面作戦から解放され、対ドイツ戦に全力を振り向けられる結果となった。これがソ連の巻き返しに寄与するだけでなく、東欧・中欧へと占領地を広げたソ連は、そこを自らの衛星国家にしていった。

 

・日本は本土決戦にて特にアメリカを泥沼の長期戦に引きずり込み、もって資本主義陣営と対立を深めるソ連の勢力拡大を狙ったが、これは国内の親米勢力により阻止され、ポツダム宣言が受諾された。

 

・アメリカを中心とする連合国によって占領された日本は、共産主義に対して憎悪を抱くよう洗脳され、従来の自国の戦略を意識的・無意識的に忘却するに到ったが、それでもなお日本には社会主義的側面が強く残り、「唯一成功した社会主義の国」とまで言われたのは、日本の抜きがたい共産主義的性質を傍証していると言えよう。

 

Q.E.D.


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