因幡はねるが人を惹き付ける理由:彼女の持つ粋(いき)さについて

2021-11-07 11:41:41 | Vtuber関連

「Vのから騒ぎ」を始めとして、「バ美LINEを探せ」や「プロ漫画家VSプロセンシチブ漫画家」(お絵描き伝言ゲーム)などなど、その企画力と人脈力はとどまることを知らない因幡はねる。そのレベルの高さは、もはや一人のVtuberというより一企業の経営者に近いものがあり(のりプロ経営者の佃煮のりおに近い)、それがどこに由来するのか気になるところである。

 

企画力については、犬山たまきたちとの対談でその一側面が見えたように思うが、とはいえそれだけで大物Vtuberはもちろん、様々なジャンルの人間に信頼されるだろうか(コラボや生配信の隆盛を見ていてもわかるが、つくづくVtuberは「人」、もっと言えば人間性やそれへの信頼に依存するところ大だと思う日々だ。自分のVtuberに関する記事が、そのキャラクター性に寄っているのもそういう理由がある)?そこから、人脈力もっとストレートに言えば彼女の人を惹きつける魅力とは何だろうと改めて考えている時、次の動画に出合った。

 

 

※切り抜きバージョンはこちら↓

 

 

これは最近彼女が連続企画として行っている「今さら対談」シリーズの一つで、にじさんじの企画マン舞元啓介との対談であるが、この動画のハイライトは、因幡はねるが舞元に貸せる金額を「100万」と答えた場面だろう(ちなみに舞元→因幡はねるは10万)。

 

これだけなら、「おもしろくするために言っているだけでは?」とか「勢いだけでしょ」と見ることもできなくないが、「もう100万円以上のものは舞元さんから受け取ったと思うので、返ってこなくてもその金額を出す」と至極当たり前のように(特段ドヤ!という感じでもなく)言い切る因幡はねるに、当の舞元も最初どう返してよいかわからず、驚いた後に「これなら自分が貸せる金額をもっと大きく言っておけばよかった(苦笑)」という反応をしたのは象徴的だった。

 

要するに、因幡はねるの言葉には、単なる勢いや感情論ではなく、きちんと根拠がある。しかしその根拠は、「たとえ返ってこなくても、すでにそれだけのものを貰ってるからいい」というものであり、「返ってこなくてもいい」という以上は合理的な損得計算などではなく、また返ってこない事態を想定している以上は決して相手を全面的に信頼しているわけでもない。つまり、甘い読みはしないが、しかし相手に託してみよう・賭けてみようというある種の「粋」さが感じられるのではないだろうか(これは「鬼滅の刃」などでも触れた利他性の話にもつながる)?

 

もちろん、自分でしばしば書いているように、人が極限状況においてどう振舞うかは未規定であり、それを日常性の中でわかると思い込むのは無知と傲慢さの産物である(まあこのお金の貸し借りの話は、貸す側も追い込まれているという状況設定ではないけどね)。

 

しかし少なくとも、この因幡はねるの発言とその背景をなす「粋」さは、人を惹きつけるに十分であるし、こういう要素を根底に持っているからこそ、師走の翁などずっと年上の人間を含めて信頼を勝ち取ることができているのではないか、と思う次第である(因幡はねる自身の発言によれば、そもそも昔から同世代よりずっと年上の人たちと話が合う傾向があったそうだが、こういう思考態度を割と前から持ち合わせていたのならば、それは至極当然のことと言えるだろう。いくらVtuberとして同世代の中央値より確実に多くの収入を得ているとはいえ、こういう類の発言はリスクヘッジや空気読みの中からはおいそれと出てくるものではない)。

 

その意味で言えば、似たようなマインドを持つ佃煮のりおが因幡はねるを熱狂的に信頼したり、あるいは伊東ライフや兎鞠まり、朝ノ瑠璃などがプロデューサー的に助言をもらって色々と助けられた経験を持っている(元動画はこちら)のもむべなるかな、と言えるだろう。

 

最近の因幡はねるはshortで料理・飼い犬の動画を挙げることで上手く視聴者の新規開拓を進めて順調に登録者数を伸ばすなど、現状に満足せず躍進を続ける様が見て取れる。そんな彼女の活動に今後とも期待したい。


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