船長一か月ぶりの復帰記念、ということで前から予定していた宝鐘マリンのキャラクター性について少し書いてみようと思う。
そのトーク力や「プロレス」の技術、知識の幅の広さなど、エンターテイナーとしての圧倒的なスキルは今更言うまでもないが、一つ象徴的な動画を挙げるなら「マリン船長78歳」だろう。
(リスナーから質問されるとそれっぽい返答をするのが大変といった)設定的な困難さから言えば、ここは動画配信にして「一つの企画としておもしろい」ぐらいで終わるのが無難な気がするのだが(それでもRPをやりきること自体は大変)、それを生配信にしてリスナーの質問に答えながら、かつネタが思いつかない時には同じことを繰り返し話すのすらネタに昇華してしまう(「おばあちゃんさっきその話したでしょw」とリスナーから突っ込みの嵐を食らう)胆力・アドリブ力は実にすばらしいものであった。そこには、そういう流れに乗っかる(乗っかってくれるであろうと期待する)リスナーたちへの信頼も込みなわけで、多くのコメントに「始めネタだと思ったら最後はエモかった」と書かれているのも当然と思える実に優れた配信だったと言えるのではないだろうか。
このように、極めて高いスキルを持ち「コミュ力お化け」とも評される宝鐘マリンだが、一方でしばしば「ヘラる」こともよく知られているところだ(あまりに具体例が多すぎるが、おそらく相当仲の良い天音かなたの証言[笑]を掲載しておく)。
こんなに明るく、大きな成功も収めている宝鐘マリンが、なぜ精神的に不安定となってしまうのだろうか?これについては、ホロライブメンバーへのの凸がヒントになるように思える。
難易度が高そうな凸待ちでも先陣を切り、あまつさえそこに仲間を召喚して盛り上げさえする。ここには「サービス精神の塊」・「気遣いの鬼」宝鐘マリンの姿が見て取れる。
これが精神的不安定さと何の関係があるのかと思われるかもしれないが、これを「人の期待に応えたいという強い気持ちの顕れ」ととれば、割と状況はクリアに理解できるのではないだろうか。
つまり、彼女は人の期待に応えたいという強い気持ちを持つがゆえに、「自分は人の期待に十分応えられていないんじゃないか→そんな自分はダメだ」という不安・自己嫌悪の感情にとらわれる、ということだ。
そのような感情・行動が相当強いのは、会社員時代に周りを楽しませようと思って発言した内容に誰もついてこれず、むしろ浮いて「不思議ちゃん」扱いされたことなどからも伺える。つまり、ライバーになる前からそのような性質を持っていたし、その時前述のような経験をしてもなお、そういう性質が変わっていないということだ(ただ、コミュニケーション力の高さでは宝鐘マリンに匹敵する大空スバルが「自分がいかにして今のような自分になったのか」を相当なレベルで言語化しているのに対し、船長がそういう性質の由来を体系的に語っているのを私は管見の限り目にしたことがない)。
このような見立てが正しければ、彼女はその一流のエンターテイナーとしてのスキルゆえに、今は周囲の期待に応えたいという感情が比較的よいサイクルで回っているが、将来的にはスランプに陥ったり燃え尽き症候群的な状態になったりすることが予測される(実際、彼女のような性質の人間はうつ病になりやすいし、ひどい場合は明るく振舞っていたのが突然音信不通・・・というようなケースも想定される。ちなみに、そういう事例を見聞きするからこそ、私は「陰キャ」「陽キャ」といった括りであったり、あまつさえ「陽キャは楽でいい」というような見方には極めて批判的な態度でのぞまざるをえない)。そしてそういう時、さらに「期待に応えられていない自分」として自分をいっそう追い詰めてしまうことも懸念されるのである(そういう精神的な要素でなくても、今回のように身体を壊してしまうことも十分ありえるし、それが精神的な焦りなどとつながっていっそう状態を悪くしてしまいかねない)。
もっとも、今回の復帰配信では
のように、ヘラ全開でスタートしたあたりからすると、彼女自身もそのことを十分理解した上で、あえてそのような不安や「弱さ」も前面に出していくことにより、精神のバランスを取ろうとしているのかもしれない(というのを書いていると、「むしろ弱い部分も前面に出した方がよい」と因幡はねるに言われて配信スタイルを変化させた犬山たまきを思い出す)。
ともあれ、宝鐘マリンが息の長い活動をしてくれるよう、これからも見守っていきたい。
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