森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

たきがしら湿原 全景

2010年07月22日 | 風景
阿賀町の奥、福島県境に近いところにたきがしら湿原という里山の放棄水田をベースにして人為的に作られた湿地があります。丘陵公園の湿地の維持管理の参考と秋の自然散策の候補地にと考えていますからその視察を兼ねて行って来ました。

たきがしら湿原 水生植物群落

2010年07月22日 | 自然観察日記
奥深い山が背景にあるために豊かな水が湿原を潤している様子で、植栽された植物が機嫌よく生育しているようすでした。ミツガシワやコウホネ、ヒオウギアヤメやノハナショウブなどもともとあった種が基本ですが、ボランティアの手も借りて苗の植栽を継続的に行っているとのこと。ただ、夏場はカヤやコウヤワラビなど資源植物以外の繁殖が旺盛でこれらを除去する刈り払いが大変そうでした。しかし、春や秋の観光季節はそれなりの人が訪れる場所になって来たようです。

ヒツジグサ

2010年07月22日 | 自然観察日記
夏場は花が少なめですが、ヒツジグサが咲いていました。未(ひつじ)の刻(午後2時頃)に咲くことから付けられたというのは良く知られている話ですが、確かにこの写真を撮ったのはそんな時間でした。近くで見ると清楚でなかなか立派な花です。

ヒツジグサ つぼみ

2010年07月22日 | 自然観察日記
水生の植物は花を咲かせるときには完全に水から出て開くのが普通なのですが、この花は水中ですでに包葉が割れ花弁がむき出しになっています。水位が急に上がったわけでもないのですが、花茎の伸長と包葉の裂開のタイミングがずれてしまったようです。水中で咲いてしまっては花粉などが死滅してしまうでしょうから、せっかくの花も徒労に終わってしまいます。何%かは問題が発生して本来の目的を達成できないものもあるのでしょう。