森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

湿地に生える大型のイ

2010年07月31日 | 自然観察日記
これはカンガレイというカヤツリグサ科の植物です。里山の湿地ではごく普通に見られるものですが、これと形態や大きさなどよく似たイの仲間を並べてみました。

湿地に生える大型のイの花穂の比較

2010年07月31日 | 自然観察日記
見た目が似ていても花穂を並べると一目瞭然ですね。左からカンガレイ、サンカクイ、フトイです。花軸がほとんどないのがカンガレイ、長いのがフトイ。その中間がサンカクイということになります。この3種はいずれも葉がほとんどないか目立ちません。ですから葉のはっきり付いているアブラガヤとは簡単に見分けが付きます。

湿地に生える大型のイの茎の断面

2010年07月31日 | 自然観察日記
この3者を特徴づけるものに茎の断面があります。花穂で紛らわしくとも断面を見れば区別は簡単です。左から正三角形のサンカクイ、円いフトイ、中央がへこみ角が尖るカンガレイです。考えてみれば、なぜ似たようなものが同じような環境に生育しているのでしょうか。わざわざこんな進化をしないで、一種でこと足りるという考えは浅はかなかんがえでしょうか。彼らにはそれなりの歴史があってこうなったということなのですが、種の多様性とは不思議な現象です。