森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

高台にそびえる赤い樹

2011年12月25日 | 自然観察日記
師走の半ば。思いがけずの晴天で暖かい日に恵まれました。「小春」といいたいのですが、この時期はこの季語は使えないという話で「冬晴れ」なのだそうです。車を走らせていると前方の高台に真っ赤に色付いた高木が目の前に立ちはだかるという感じでそびえていました。色付くといっても紅葉ではなく赤い実がびっしりなのです。冬場、京都でクロガネモチなどの鈴なりの赤い実をつけた樹を目にしたことはありますが、越後ではほとんど見かけない光景、ちょっとした感動です。車を降りてしばらく見上げていましたが、正体を確かめたくても近寄るには難しい高台です。

赤い高木の正体

2011年12月25日 | 自然観察日記
デジカメの望遠で写してなんとなく樹種名は見当が付いたものの実の量の多さにまた感激。樹高も20mはあろうかという大物です。アズキナシです。里山には普通に生えている樹で特別珍しいものではないのですが、それが単木で存在していると不思議な気がしますね。山の中の木々も赤い実を沢山つけてはいるのですが、この樹は一回り多いようです。周りにさえぎるものが無いせいで特別にそう感ずるのかもしれません。きっとこの樹はこの町のシンボル的な存在なのだと思います。

アズキナシ

2011年12月25日 | 自然観察日記
近づき難い場所にあるのですが、遠回りしてその場所まで行きました。高台まで上ってみると、空き地の片隅に目指すものがあるのですが立ち入り禁止の囲いと険しい載り面を覆う潅木や藪が行く手をふさぎます。しかし、師走の藪は歩きやすく程なく目的の樹にたどり着きました。径50cmくらいの立派なアズキナシ、小枝に付いた落ちた実が幹の肌に寄り添っていました。色があせるのはもうしばらく先になります。餌はまだまだ多いのでしょうか、ついばみに来る小鳥の姿はありません。