ややピークが過ぎたカキツバタ、青い花の中心に白く細い斑紋があって種を特徴付けています。湿地性の初夏を代表する花です。しかし、野生の状態で見ることが非常に少なくなってきました。これはたきがしら湿原にあったものですが、ここも人工的に作られた場所で真に野生のものとはいえません。しかし、花弁の状態などから原種に近いものと思います。
赤花とまではいえないかもしれませんが、普通種に比べ著しく異なった花の色をしています。いろいろな問題はあるようですが、花の色を除けばカキツバタの性質を持っていますから、カキツバタの赤花種としておきましょう。しっかりとした文献を持っていないので、不確かなところがあるのですが、日本に自生していたものでかなり古くから栽培されていたようです。これは、丘陵公園の山の水辺区に植栽された個体で明治神宮のショウブの愛好家によって引き継がれてきた種とされています。