森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

谷川岳 一の倉沢

2012年07月17日 | 風景
もう30年も前のことになるのかもしれませんが、この一の倉沢には車で来たことがあります。今回は谷川ロープウェイ駅からは歩きの訪問です。かつての車道は沢沿いのサワグルミが優先する深い森の散策道として利用されていて、夏でも涼しくきもちのいいものでした。途中マチガ沢の景観を楽しみながら道草を食いながら歩くこと2時間ほど、一の倉沢に着き絶景を堪能しました。曇天で稜線がかろうじて見えるような状況でしたが、それでも見事な景観を見せてくれました。予想していたよりやや残雪が少なく、沢の水量が少なくあのときの迫力が感じられなかったのがちょっと残念でした。
一の倉沢は岩登りの聖地として有名ですが、この沢からさらに奥に進むと大きな岩場があり、ここに遭難碑がたくさん据え付けられてあります。碑には若い命を惜しむ言葉が添えられているものが目につき、中には新しい花束が添えてあったりします。はるか彼方に「衝立岩(ついたていわ)」も望めます。この岩場に魅せられた多くの命があって、そして悲喜こもごもの人生が織りなされていることがわかります。不思議な空間なのですね。

キタゴヨウ

2012年07月17日 | 自然観察日記
谷川岳の稜線は薄くガスがかかって見えにくい場所もあるのですが、やや低い場所は点々とキタゴヨウの列生している姿が確認できました。やせ尾根に好んで生えているように見えますね。緩斜面の適地では他の種との競争で負けるため、条件の悪い場所に追いやられた結果と言われています。一つの解釈ですが、やせ尾根に生育している個体はどれも立派な姿をしているように見えますから、こういう条件でも生育上好都合なものがあるのだと思います。むしろ積極的に進出している面があるのではないでしょうか。