先月のことですが、菅平の峰の原に出向いた目的はこの花の群生の様子を見たかったためです。やや雨っぽかった日でしたが、まずまずの花盛りで一時至福の時を過ごしました。若い頃南アルプスの赤石岳を目指していた時の針葉樹林帯で出会ったベニバナイチヤクソウの群落、あの時の感動を再び思い出しましたね。同行された方々もみんな感動されていました。
大群生にはなっていなくてもこの花は高原などにはしばしば見られる花ですから、特段珍しいものではありません。しかし、他のイチヤクソウの仲間は群生していてもごく小規模なのに対してこの花は実に大規模な群落をつくります。その違いの理由付けはできませんが不思議な習性をもった花です。花の構造もなぜか長く飛び出た雌しべ、それも像の鼻を連想させるような形状になることがとても愉快です。