森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

小松原湿原 木道

2013年07月27日 | 風景
再び小松原湿原に訪れる機会がありました。仲間同士の研修会という名目で一泊二日の旅です。このところ前線の影響で雨に祟られていたのですが、天が味方したのかこの湿原の旅は穏やかで絶好の日になりました。
小松原湿原は2年前に来ていますが、花の季節が少しズレていたため多くの花を観察できなかったのですが今回はこの反省を踏まえて少し早目の入山を計画したものです。
小松原湿原は苗場山につながる西側の尾根の一角にあり新潟県内では尾瀬に次ぐ高層湿原とされています。海抜およそ1500m。オオシラビソやネズコなどの針葉樹が出てくる亜高山帯に形成されている価値ある場所です。私はこれまでに十数回は来ていますが今回ほど花の多さに感動したことはなかった気がします。

小松原湿原 池塘

2013年07月27日 | 風景
小松原ヘは旧中里村の倉俣地区から入ることが多かったのですが、今は津南町のグリーンピアの脇から簡単に入れます。ただし、途中の林道はゲートが閉じていますから、ここから湿原のいり口までは4~5㎞は歩かなければなりません。これがかなりのハードルで多くの人が気安く来れない場所になっている原因ですね。自然が荒れるのが防がれているという面がありますが、もっと多くの人にも素晴らしい自然を味わってほしいと思っていますから何かしらのサービスがあってもいいのかなと考えています。今回は途中の林道の荒れがひどいことに驚きました。2年前はきれいな路面が今回はガタガタ。雨水による損傷の大きさに驚かされます。しかし、先回イノシシのヌタ場ではないかと疑われた湿原の数か所の荒らされた跡は今回は確認できませんでした。
湿原入口から山小屋までの散策道は快適で桃源郷の散歩のようでした。途中の餓鬼の田んぼといわれる池塘や谷内坊主。花ばかりでなくトンボやチョウの飛翔も楽しみながらの研修でした。

小松原小屋

2013年07月27日 | 風景
宿泊した小松原小屋です。新しくできたばかりの時、当時高校の教員でしたから生徒を連れてここに泊まったことがあります。秋でキノコをどっさり採集してキノコ三昧をした思い出がある場所です。もうそれから40年くらいは経っているのですが、当時とはあまり変わらない気がしました。さすがに雨戸は腐れが出ていましたがしっかりした無人の小屋です。貸切状態で昼過ぎには着きましたから、夜が更けるまで山小屋での語らいを楽しみました。

浮島

2013年07月27日 | 自然観察日記
今は木道がしっかりできていて、また登山マナーも浸透していますから逸脱した行動はできません。この浮島はまだ木道も整備不十分な大昔に湿原の観察をする中で見つけたものです。それがまだ同じ状態にあることが確認できました。湿原の遷移は本当にゆっくりしたもので40年近く経っても変化したようには思えないのは当然なことなのでしょう。