森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

イカリソウ

2014年05月01日 | 自然観察日記
しばらくは福島花見山で出会ったおもに自生の野草などに目を向けることにします。
イカリソウはの仲間は春の定番の花の一つですが、地域的な変異が多く案外区別が難しいものとされます。越後では花が白いイカリソウならごく普通にあってトキワイカリソウといいます。しかし、花見山で見たイカリソウには越冬した葉がありません。トキワイカリソウとの明確な区別点で、太平洋側と日本海側の違いを実感しました。
実をいうと実際はもっと複雑で、越後の魚沼あたりにはイカリソウがあるのです。雪深い魚沼に冬に葉が枯れる種が自生しているのです。それも花の色が赤紫色のもので、たとえば丘陵公園で見る白いトキワイカリソウとまるで異なります。そして、長岡にはイカリソウはありませんし、魚沼にはトキワイカリソウがない? 明確なことは言えませんがかなり複雑なことが起こっているようです。もう一種キバナイカリソウというのがあります。これが魚沼には自生しているということになって事態をさらに複雑にしていますね。この当たりのことを真剣に研究すると面白い知見が見いだせるかもしれません。