森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マルバマンサクの花

2016年04月01日 | 自然観察日記
4月に入りました。例年になく早い春が越後丘陵公園の里山フィールドミュージアムにも訪れています。カタクリはすでに見ごろ2週間は早いですね。見慣れた越後の春の花々が我先にと花を咲かせる季節になっています。とはいっても時々ぶり返す寒い風でときどきは足踏みもするのですが・・。
里山の花などを紹介するには繰り返しになるのが多いのですが、今まで気付かなかったことなど少しばかりとりあげます。

これは越後の代表的な春の花マルバマンサクの普通の花。咲く季節は2月中旬ころから残雪があっても雪の上でも咲いていることがあります。名前の通りですね。「まず咲く」です。枝はしなやかで折れにくく、雪国の人はこの枝でかんじきや炭俵の蓋などを作っていました。時には柴(しば)の結束にも利用していたそうです。表日本のマンサクが直立生なのに対してマルバマンサクは雪に押されて斜上性の形質をしているといわれています。

マルバマンサクの赤花

2016年04月01日 | 自然観察日記
ときおりアカバナのマルバマンサクを見ることがあります。里山フィールドミュージアムエリアにもあって今年も咲いています。これは三月中旬の残雪のある頃の絵ですが、花期は比較的長くまだ花を見ることができます。どんな植物でも単一の形質でそろっているわけではなく、花の色もかなり多彩なものが多いものです。比較的多いのが有色種と白色種の組み合わせですが、マルバマンサクの白花は見たことがないですね。
花弁は4枚。中央の黄色い粒状のものは雄しべの葯。雌しべの柱頭は不鮮明です。4数性の花です。