森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

アズマネザサ

2017年04月06日 | 自然観察日記
近年、ササ・タケ類が里山の植生を荒らしていて大きな問題になっています。大きな問題なのですが、それがあまり報道されず黙認され年を追うごとに悪化しているというのが現実です。人の手が入らない里山の荒れ方は本当に目に余るものがるのです。お金も人手も足りないということと、個人の持ち山という面もあって手が出せない状況です。
新潟にはないササ類が群馬には広がっています。これはアズマネザサというササで関東圏では一番多い種だそうです。雑木林を覆い尽くし休耕田や畑などにもどんどん入り込んでいます。このササの下には里山の草花がたくさんたくさん生活していたはずですが見るも無残な状況です。

アズマネザサの葉

2017年04月06日 | 自然観察日記
大きく成長すると5m以上にもなるそうですが、ここでは3m未満でしょうか。ササ・タケ類の区別は難しいので近づきたくないグループですがアズマネザサは比較的わかりやすいササです。

アズマネザサの地下茎

2017年04月06日 | 自然観察日記
少し斜面の土が崩れたところに伸びていたアズマネザサの地下茎がむき出しになっていました。各節に筍が出ていてこれが1~2mの高さになっているのですから笹薮は簡単に踏み込めるような状態ではなく、まさに密生状態。これだけ茂ってしまうろ林床の草花に届く光もなければ生活する空間もありません。アズマネザサは常緑性で覆われると本当に単調な生態系になってしまいます。
ササ・タケ類を抑え込む国家プロジェクトみたいなものを立ち上げないといけないと思うのですが・・。