里山フィールドミュージアム内で今まで記録がありながら確認できていなかったヤマエンゴサク?が見つかりました。エンゴサクの仲間は変異が多く難しいグループ。エゾエンゴサクという北方系の種があり、また最近オトメエンゴサクという名で言われるようになった種もあります。現在のところ不勉強でオトメエンゴサクなるものの認識ができていませんから、ヤマエンゴサクとの区別もわかるようで分からないという何とも歯切れの悪い状態です。県内にはエゾエンゴサクはないそうで、過去の調査記録にはヤマエンゴサクの記述がありますからヤマエンゴサクで間違いのないものと思っています。ただ、魚沼辺りにはかなり大型で色彩の系統が異なるものがあります。あれがオトメエンゴサク?今月末に調査に行ける機会がありますから確かめてきたいと思います。
筒状花の先端部は唇状で割れていません。花茎に付く苞葉は分裂していなくて単葉です。これはエゾエンゴサクの特徴になっています。とはいうもののヤマエンゴサクにも単葉のものもあるという話で、これでは区別できません。オトメエンゴサクという種の可能性もあるのですが、いまのところはヤマエンゴサクにしておきます。後部は距になっていて蜜を置くのですが、ポリネーターに花の前から出入りしてもらい受粉を期待していても花管の途中で穴をあけられ蜜を盗まれる(盗密)ことが多いのだそうです。
ヤマエンゴサクの特徴の一つに果実の形状にあるという人がいました。幅広で幾分扁平なものなのだそうです。幅広であることは間違いないようです。この種は自家不和合性があるのだそうです。自身では種子を作れないので複数の個体が存在しないと生きていけません。