少し標高が高くなると出てくるイワアカバナ、立山の弥陀ヶ原にも見られました。それほど目立つ花ではありませんし素朴な山野草という雰囲気で脇役的な存在。アカバナ科の中で派手なのはヤナギランで、これに比べるとその控えめなこと著しいものです。とはいっても小さいなりに可愛い花です。
アカバナは4数性の花。花弁が4枚おしべが8本。分かりにくいのですが長めのおしべと短いのがあるようです。最も大きな特徴がめしべの先端が球状に膨らんでいることです。アカバナはいわゆるこん棒状で球状にはならないのでここで区別します。果実は花の大きさに比べると極端に長く熟すと4裂し中から長い冠毛を持った種子が出てきます。
葉は長楕円形で対生しています。アカバナは湿った場所が好きな植物。イワアカバナも時に水はけのよい場所などに見られるのですが、亜高山以上の環境では雲などに覆われることも多いので一見乾燥地かなと思われる場所でも大丈夫なのでしょう。