里山の畑でコンニャクを栽培しています。例年なかなかの出来でイベントにコンニャク作りを行うのに重宝しています。手作りのこんにゃくはやはり美味しく毎年の楽しみの一つになっています。ところで、毎年コンニャクの花を咲かせて季節の展示に利用していますが、長年花の展示をしていても結実し果実を見たことがありません。ところが、今年展示した一つの鉢に初めて果実が実りました。花を知る人もあまり多くないのですが実を見た人は周囲には一人もいませんでした。それほど貴重な経験なのだと知ってその一部始終を観察できたことの幸運を感謝しています。
果実を拡大してみました。サトイモ科の種です。テンナンショウの仲間とどことなく共通で実の状態もよく似ています。一度口にしてみましたがほのかに甘さを感じました。ところが、ある時この果実がすべて何者かに食べられてしまいました。おそらくタヌキかハクビシン。油断していました。採取して播種し発芽を見たかったのですが叶いませんでした。
仏炎苞の内部を覗いた時の様子です。下部におしべを持った雄花がびっしりと並んでいます。雌花は見られませんからこの株は雄株で結実はしません。コンニャクは4年芋が開花するといわれています。経験的にそのほとんどが雄株だったことになります。雌株はまれに生じるのか、あるいは栄養状態で大きさによって決まるようなことがあるのか?(テンナンショウは若い個体は雄株、成長すると雌株になる)次年度の観察のテーマが一つできました。