ブナ林の縁にセンブリを見つけました。久しぶりに出会う種ということもあって大いに感激したのですが、センブリがブナ帯に自生するというのに少々驚きです。まぎれもなくセンブリそのもので遅くまで花が見られる種ですから樹々の色づきをそっちのけでしばし花を堪能しました。
センブリは越年草です。この開花している個体はこれから種子を作り発芽させ幼植物を作り冬を越すことになるわけですが、10月から成長が可能な11月半ばころまでのわずかな時間にそれをこなしていくことができるのか少々不思議な気がします。古くからの民間薬として重要な種でいたるところに見られたといいます。それが近年すっかり山野で見かけなくなってしまいました。山を利用して生活する習慣がなくなってきたことがこの種を衰退させている原因の一つだといわれています。