見慣れないサクラの樹がありました。3mほどの低木で今が満開。経験的にこういう山里に自生する低木のサクラはオクチョウジザクラを思い起こさせるのですが、オクチョウジザクラにしては花付が非常によく別種であることは遠目でも見当が付きます。周囲のコナラはかなり葉が伸びてきていて、雑木林に埋もれるようにして花を咲かせていますので、サクラの持つ華やかさを演ずることはできていません。
花を横から見るとオクチョウジザクラとの違いがはっきりします。がく筒は短くやや太めです。マメザクラです。この種は太平洋側がの種という認識でしたから、こんなに山深くに自生しているということが今回の最大の発見でしょうか。ひと山越えれば新潟県です。しかし、県内にはマメザクラの自生はないと思います。
5月、ヒメサユリで有名な福島県南郷村の高清水自然公園を訪れました。山深い里ですからまだ早春の気配が残っている季節で園は一部歩けるものの開園前の準備が急ピッチという状態です。平日ということもありましたから誰一人散策している人が見当たりません。おかげで、青く澄み渡った快晴の中気兼ねなく園内をブラ歩きしました。
ここは、ヒメサユリの大規模な自生地として有名ですがさすがにまだ花には早く見ごろは7月に入ってからのようです。新潟の下田のヒメサユリの群落からおよそ1ケ月は遅いのだそうです。
ここは、ヒメサユリの大規模な自生地として有名ですがさすがにまだ花には早く見ごろは7月に入ってからのようです。新潟の下田のヒメサユリの群落からおよそ1ケ月は遅いのだそうです。
実によく間伐がされていて非常に見通しの良い雑木林です。看板の古さから行って10年は経っていると思いますが、低木層がまるでない林が延々と続いていてその面積に唖然とするほどなのです。とにかく広い!気持ちが良いといわれる方もおられるでしょうが、個人的には少々食傷気味。里山の雑木林としての多様性が感じられません。もう少し層構造を意識した空間があってもよいと感じました。
雪深いところはどこも草木の営みは一斉に始まりますから、早春のものから初夏のものまでごちゃごちゃです。それは順次紹介するとして、散策路に芽生えていたノギランの新芽がまばゆいほど輝いていたのが印象的でした。すぐわきにはアキノキリンソウも芽生えています。多年草はさすがに刈り込まれてはいないもののムシカリなどの低木が付近に見られないのが残念です。
過去に何度か取り上げたクサノオウです。「草の王」とはいったいどういう意味だろうと不思議に思っていたことがありますが、切り傷を瘡(クサ)というのだそうで、これによく効く治療薬になるとのこと。それで「瘡(クサ)の王」なんだそうです。ケシ科の草本で傷をつけると黄色の液が出ますが、これが効くのでしょうね。
それはそうと、里山フィールドミュージアムには自生があるのですが、個体数が少なく増殖を試みました。簡単にいくと侮っていたせいか、なかなか増殖がうまくいきません。一年草という認識で発芽すれば生育も簡単と思いきや思いのほか気難しがり屋です。かなり肥沃な場所が必要なのだろうかたかんがえているのですが、この野生の株は砂利が敷かれた片隅にあってどう見ても住みにくそうな場所。大変立派に育っていました。手塩にかけても軟弱な株にしかならないのに、野生下ではこの逞しさ!不思議ですね。何が一因しているのでしょうか?
それはそうと、里山フィールドミュージアムには自生があるのですが、個体数が少なく増殖を試みました。簡単にいくと侮っていたせいか、なかなか増殖がうまくいきません。一年草という認識で発芽すれば生育も簡単と思いきや思いのほか気難しがり屋です。かなり肥沃な場所が必要なのだろうかたかんがえているのですが、この野生の株は砂利が敷かれた片隅にあってどう見ても住みにくそうな場所。大変立派に育っていました。手塩にかけても軟弱な株にしかならないのに、野生下ではこの逞しさ!不思議ですね。何が一因しているのでしょうか?
黄色の4弁の花でありこの実の様子からアブラナ科の種に間違われそうですがケシ科の種です。葉の様子や傷をつけると黄色い液が出ることなどから区別できます。果実の形はこの写真はかなり真っ直ぐなのですが、多くのクサノオウの果実はくにゃくにゃと曲がっていることが多くてアブラナ科の果実の真っ直ぐなものとはかなり差があります。
クサノオウは一年草というより越年草の方が分かりが良いかもしれません。秋に発芽した個体が冬を越して春に花を咲かせるという図式です。果実が実った後は本体は枯れることになります。ところで、まだ花をつけずにようやく大きくなりだした株を持っているのですが、これが今後どうなるのかが興味津々。遅ればせながら花芽を作り開花できるのか、そのまま生育するだけで秋には枯れるのか?花芽の形成には光周性が絡んでいるか低温が絡んでいるかですが、もう6月、いづれも厳しい条件です。一年生草本なら秋には枯れるということになるのですが、花を咲かせず枯死することになるのでしょうか?
クサノオウは一年草というより越年草の方が分かりが良いかもしれません。秋に発芽した個体が冬を越して春に花を咲かせるという図式です。果実が実った後は本体は枯れることになります。ところで、まだ花をつけずにようやく大きくなりだした株を持っているのですが、これが今後どうなるのかが興味津々。遅ればせながら花芽を作り開花できるのか、そのまま生育するだけで秋には枯れるのか?花芽の形成には光周性が絡んでいるか低温が絡んでいるかですが、もう6月、いづれも厳しい条件です。一年生草本なら秋には枯れるということになるのですが、花を咲かせず枯死することになるのでしょうか?
ヒメヘビイチゴです。この種は前種より幾分山際に住んでいるような気がしますが、日当たりのよい場所よりは幾分日陰でみられます。花がやや小型ですから「ヒメ」なのですが、いわゆるヘビイチゴはいちご状果を作りますがこの種もできません。キジムシロ属です。
キジムシロの仲間の花はどれを見ても同じに見えて、花だけではまだ区別することができません。話は異なりますが、春から初夏の花には黄色の花が大変多くあるように思います。至る所に黄色い花があるのですが、なぜかすべて草本。木本でそれも高木になる種で黄色の花を持つものが存在しません。ヤマボウシト化エゴノキなどが里山で花盛りですがみんな白い色。里山の高径木の花は白い花で田畑や土手などの日当たりのよいな所の草は黄色の花がほとんど。この現象にはどういう意味があるのでしょうか?考えてみる価値はありそうです。
湿った土手などに見られるつる性の草本。「イチゴ」となずけられてはいるもののいちご状果はできません。むしろキジムシロに近い種とされます。たしか昨年は異なった草が繁茂していたような気がしている場所にオヘビイチゴがべたっと張り付いているのに少々奇異な感じ。どうもこの種がはびこるところは高径の草が入り込んでいないので、そういう種の発芽を抑制する物質を出す習性があるのでしょうか。フィトンチッドですか。まだ、春が終わったばかり。これから高径性のものが入り込んでくるのかもしれませんが・・。