里山の雑木林に生育するバラ科の亜高木。個体数の多い場所もあるのでしょうが、長岡地域では時々見る程度でむしろ希な樹のように思います。弥彦山の田ノ浦ルートで見かけたのですが、ここはなんとなく個体が多そうな感じです。あいにく花の季節にやや早かったので、離れたところの個体を見極めるまではできませんでした。アズキナシの花に似た白い花がかたまって咲くので少し離れていても大体見当が付きます。名前の通り鎌の柄に使われるほど材が丈夫でしなやかなのでしょう。
もう2・3日すれば花が咲いたのに、今回はタイミングが合いませんでした。付近を探してもそれらしいのがありませんから、つぼみから花を想像する以外にないようです。秋には幾分長めの赤い果実をつけます。小鳥が大好きなのだそうで早々に無くなってしまうとか。
ビャクダン科の半寄生植物とされるツクバネがありました。里山に普通にある種ですが常々何に寄生しているのかが疑問で、またどのように調べてのだろうかと思っていする低木です。モミ、ツガなどの針葉樹とかアセビとかという記載を見ましたが、このような種が全く存在しない丘陵公園にもたくさんあります。針葉樹だからスギなのかとも考えては見たものの、このスギはそれほど古くない時代に人が植えたもので、人の生活する以前からツクバネは住んでいたと思いますからこれも違うと思うのですが・・・。
雌花です。4枚の大きながくが付くのでそれでも見つけやすいのですが、色が葉と同じ色ですから意識しないと見つけれられないかもしれませんね。晩秋、落葉したころに羽根つきの羽根のような形状で枝先にぶら下がっている姿ならこの季節よりは見つけやすいです。受粉後子房が丸く肥大してでんぷん質が多く食用にできると知り感激したことがあります。
別名フタバハギという大変特徴的な葉を持つ多年性草本です。この種も弥彦から阿賀野川沿いに多いとされる種で、県南には転々と生育するものの、村上地域ではいまだ記録がないという種なのだそうで、里山に近い場所には普通にありそうなのですが地域差があるようです。個人的には、この種を観察できたのは多くはなく、どこで視たかはっきりしないのです。新津当たりだったかなぁ?花はクサフジみたいな青い花だったような・・・。
ムラサキケマンは春の花で比較的よく目立ちます。ごく身近な野草で庭の雑草とさえなっていますが、意外に大きく育ち30~40cmくらいになります。果実は季節はあまり注目されませんね。弥彦山田ノ浦コースの葉入口にシシウドなどの高草が覆いかぶさった下に頑張って背伸びをしているムラサキケマンを見つけました。そこには小さなサヤエンドウみたいな実がぶら下がっていて自らの存在を主張しているようです。
今まで活動の中心としていたのは長岡から南の魚沼地域なのですが、最近は特に定めず気の向くまま足の向くままの自然散策です。そんな中で、かつては出会ったことがないのにここ数年でしばしば出会う種があります。そんな種の一つがこのバイカウツギです。弥彦山塊にも生育してることから、最近見た場所を思い出して阿賀野川沿いにも多いのかと考え記録を調べると案の定たくさんの記録があります。県南も県北も採集記録が残されているのですが、魚沼地域にはないようですから、過去に私が出会うことは難しかったのだと知りました。
花穂になるのか果穂になるのか?この季節ですからまだ花の段階でしょうか。中を剥き出しにして確認できていませんが、5月の上旬ですから花穂としておきます。サワシバです。シデの仲間は花が外から分かりにくくいつ咲いたか終わったか一見しただけでは分かりません。大型のぶら下がる花穂を出している種にクマシデもありますが、個人的に未だ花穂だけで見極めるレベルにはないですね。
クマシデとサワシバは葉で区別すると容易です。基部がハート形に切れ込んでいればサワシバ、丸くなっていればクマシデです。時々勘違いして間違えてしまいますが・・・。しかし、分布はサワシバは県内ほぼ全域なのたいしてクマシデは長野県境近辺など県南に限られます。
タネツケバナの仲間は至る所で目にしますが、結構種が異なっていて正確に見極めるのはなかなか難しいと思います。オオケタネツケバナは東日本の山間の湿った場所に生育する種とされています。魚沼の山地の沢沿いなどでは普通に見かける種ですからあまり気にも留めないので少々かわいそうな存在。しかし、よくお世話になったこともあります。奥深い沢に入って昼食をとる時などに、このタネツケバナをむしってきては塩味をつけてサラダ代わりにむしゃむしゃとよく食べたものです。ちょっとピリ辛でなかなかいけます。平場では西洋仕込みのクレソンがはびこっていますが、山のクレソンという位置づけでしょうか。しかし、れっきとした自生種です。
時々出会うカエデの一種で、葉が3小葉からなるのが特徴です。あまり大きな樹に出会ったことはないのですが、かなりの大木になるとされています。ブナ帯に生育するものという考えがあるのですが、ここ弥彦の山域ではブナは見かけませんでした(ただ、お隣の国上山には低地でブナ林があります)。ここでは1ケ所だけで確認したのみですから個体数は多くないようです。