いくら拡大してもピンが甘い写真では何が何だか分かりませんが、花は5個ついているようで「五輪花」ともいうそうです。上を向いて咲く花と横を向いて咲く花には形態上の差があることが多いようでこの種の面白い特徴になっているようです。
約650ⅿくらいのトンネル。ところどころ明かりがありますが中を歩くと平衡感覚がマヒしてしまいそうです。うっかり壁面に触ろうものなら蒸気機関車の油煙がへばりついていますから真っ黒になります。異次元体験にはいい場所かもしれませんね。
越冬する緑葉があるのでトキワイカリソウといいますが、これは雪国ならではの適応なのでしょう。厚く積もった雪は保温性に優れ雪解けとともに光合成ができる仕組みは地表に生育する種にとっては非常に有効な方法です。太平洋側に生育するイカリソウは光環境は優れていても冬季乾燥し低温にさらされる林床では緑葉を維持できないため落葉します。同じような理由が働いていると考えられますが、雪国の林床は常緑の低木が非常に多いのです。太平洋側の林床はササ類を除けば極めて常緑の低木は少ないですね。
同じ新潟県内にあって弥彦・角田山塊にはあって長岡など他の地域にはない種として興味深い存在です。分布をよく調べると阿賀野川に沿って採集の記録があり、そのほかは新潟の県境近辺で採集記録があります。佐渡や村上にもあります。長野県菅平などには普通に見られるのに長岡を含め中越司法や下越上越にも見られません。そういう点を考慮すると越後平野が形成される以前に弥彦・角田山塊にすでに生育していたのでしょう。その後福島県から阿賀野川沿い県内に入り込んできたように思います。
里山には普通に生育している落葉性の低木です。幾分湿り気の強い場所に見られます。株立ち性であまり姿が美しくありませんね。私は高校の理科の教員をしていましたからニワトコというと茎の髄が思い出されます。柔らかく加工しやすいため、この切れ込みに葉などの片を挟み安全カミソリの刃で薄く切片を作り顕微鏡観察のための資料つくりをしたりさせたりしていました。
一輪二輪と花が咲いているようにも見えますが全体的にはまだ未開花の状態です。一応両性花のようですがかなり細かな花で色彩も地味。しかし、結実し実が赤く熟す7月頃は異彩を放ちます。湿った藪の中に赤い実がついた木があまり彩のない季節にとても目立つのです。鳥などが好きなようで一月もしないうちに見えなくなってしまいます。以前、山菜として利用できるとかで試しに食した経験があります。特段お勧めできるようなものではなく、いつしか「食べない方がよい」グループとして紹介されていました。
芽の出たてのアマドコロです。角田・弥彦山塊特に海岸側で目にします。特にそこだけ多いというわけではないと思いますが、この環境は目につきやすいのでしょうか。砂地のマツ林の下などでも案外元気で生育しているのを見ると生育できる環境は広いようです。山菜としても利用すると聞いていますが未だ食べてはいません。このころの柔らかそうなものをいただくのでしょう。よく目にするとはいえ摘んで食べようとは思いませんね。最近ではユリ科ではなくキジカクシ科という名前の科名で分類されます。なかなか新しい科名にはなじめず悪戦苦闘が続きます。