森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハルユキノシタ

2016年05月15日 | 自然観察日記
崖にハルユキノシタも見つかります。よく調べると結構多く生育していることが分かります。ちょうど花期に当たり至る所の株に花が見られました。この種もどちらかといえば山奥の渓流沿いに見られるのですが親不知の海岸の岩場も生育圏のようです。

ハルユキノシタの花

2016年05月15日 | 自然観察日記
ユキノシタの花に比べ花期は早く雪解け早々に白い花を咲かせます。花弁の2枚が大きく全体で「大」の文字に近い構造。ダイモンジソウは晩秋に咲く花ですがハルユキノシタは早春の花と思えばよいでしょう。花はダイモンジソウの方がスマートですがハルユキノシタは太目です。実はハルユキノシタが開花するころにはあまり渓流などに行ったことがないのか花を見るのが実に久しぶりでした。白い花の中に微かにピンク色がかった花を見つけたのですが、離れた崖にあるため証拠となる写真が撮れません。ダイモンジソウ属の花色には結構変異があるようですから色のついたものが時にあっても不思議ではありません。

ハマボッスのロゼット

2016年05月14日 | 自然観察日記
海岸近くで普通に見る多年草です。岩場に張り付いて光沢のある葉をつけています。葉の光沢や丸みのある全体的な形状は海岸という環境下で厳しい冬を乗り切ってきた生活形です。美しい姿ですね。やがて葉がほころび花茎を出し開花へと進むことでしょう。サクラソウ科。

エンレイソウ

2016年05月14日 | 自然観察日記
ハマボッス異なりエンレイソウが海岸ぎりぎりに生えている姿はどことなく違和感を持ちます。内陸の林下や深山に生育する姿を観てきましたから親不知の海岸傾斜地はとても興味深いものでした。延齢草ばかりでなく同じように感じた種がいくつもあります。

ネコノメソウ

2016年05月14日 | 自然観察日記
絶壁の水がしたたり落ちる場所にはネコノメソウノ塊がへばりついています。本来このような場所に生活するはずではないのでしょうが、上部から落ちてきた種子が発芽してたまたま水の供給があったためネコノメソウノ生育環境に相応しい微小世界ができたのでしょうね。面白い造形です。大きく成長して重さで下にちぎれ落ちてしまえばそこは礫の積み重なった場所ですから生育不可能です。

コミヤマカタバミ

2016年05月13日 | 自然観察日記
この種もどちらかというと深山性というイメージが強い種ですが、ワサビと肩を並べて咲いていました。こういう種が出てくることが親不知という場所を特徴づけています。北アルプスの山脈がそのまま海岸に落ちているという場所と捕えると海岸べりでありながら高山性や深山性の種が出現してもおかしくないのでしょう。ハート形の三枚の葉が特徴的で白い大き目の花が美しいですね。

コミヤマカタバミの花

2016年05月13日 | 自然観察日記
花弁は5枚が基本ですがこの花のようにまれに6枚花弁のはながあります。しかし、雄しべは5数性で10本確認できます。ごくまれな花に出会ったようです。時に桃色がかることがありますが白い2cm位の花です。

ワサビ

2016年05月12日 | 自然観察日記
海岸端にワサビです。急な傾斜地に小さな流れがありその礫の隙間に白い花を咲かせていました。経験的にワサビは比較的深い山手で観てきましたから、波音の聞こえる海岸付近で見るのはどことなく違和感がありました。そもそも急傾斜地の谷筋などは高海抜のところに生育していたものが剥がれ落ちて運ばれそれが根付いている場合が多いのですが、このワサビもその例なのかもしれません。

ワサビの花

2016年05月12日 | 自然観察日記
ワサビは水の中で育つと思いがちです。土の上に生活しているものを畑ワサビなどという人もいますが同じ種です。水中で栽培した経験はないのですが、水の中で生育すると根茎が太るようで陸上のものは太くなりません。このあたりの説明でおもしろいものがあります。もともとワサビの根茎にあるある種の化学物質は成育疎外を引き起こし陸上では根茎は肥大しません。しかし、水中だと洗い流されてその成分が無くなるために根茎が太るというものです。その化学物資値の詳細を私は理解していませんがなるほどと納得しているところです。

トリカブト

2016年05月11日 | 自然観察日記
おそらくヤマトリカブトでしょう、海岸に降りる階段の斜面にトリカブトがたくさん自生しているのにまず驚きです。花の咲く9月10月は結構な景観ができるのではないかと想像しました。まだ芽が出たばかりで角の丸い幼い葉が目立ちます。

トリカブトの群落

2016年05月11日 | 自然観察日記
急な斜面ですが斜面の広い部分をトリカブトが占めています。このエリアには他の種があまり目立ちませんからなかなかの群生地です。トリカブトはまばらに生えるイメージが強いのですがここでは塊で生えていて花が咲くころは圧巻ではないかと思いました。

親不知コミュニティーロード

2016年05月10日 | 自然観察日記
県境の親不知へ足を運んでみました。コミュニティーロードと名付けられた旧国道が散策路になっていて海岸線にも降りれます。また、土木遺産としての旧親不知トンネルの中もくぐれなかなか変化のとんだ場所でした。北アルプスに通じる栂海新道(つがみしんどう)登山口が道路の反対側にあります。なぜこのようなところから登ろうとしたのか登山道を切り開いた人の気持ちが分かるようで分からない。いわゆる断崖絶壁剣が峰。昔から交通の難所として名高い場所です。
植物の話になると話が別で、こういう場所に生活する種はどんなものがあるのだろうかと興味津々。僅かな滞在時間でしたが興味深いものがいくつか出てきました。

オオタチツボスミレ

2016年05月10日 | 自然観察日記
その舗装された旧国道の割れ目からオオタチツボスミレが良い花を咲かせていました。ふかふかとした土の上から咲くのではなく住みにくそうなアスファルトの亀裂に根を下ろしたようです。いわゆるど根性オオタチツボスミレといったところ。多雪地域に生育するとされるオオタチツボスミレは新潟県内ではタチツボスミレより多く見られ、旧村松町の公園ではカーペット状に大群生していたことがあって感激した思い出があります。名前の通りやや花が大きい種です。