森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マルバダケブキの茎

2016年08月27日 | 自然観察日記
花茎や葉茎の赤紫色に色づいていることが印象的でした。ルバーブという野菜がありますがその茎に色合いがとてもよく似ています。

カヤノ平北ドブ湿原

2016年08月26日 | 自然観察日記
今年こそは綺麗なワタスゲとニッコウキスゲの群落を見ようと7月に2回も計画をしたもののなんとなんとその両方が大外れ。まずは季節の進み方が異常に速く二週間十日は当たり前で人によっては1ケ月などといわれます。花の季節の大狂いでお目当ての景観には出会えず、さらにニッコウキスゲに至って年に一度くらいの花の少ない年だとか。地元のネイチャーガイドの人の説明で大いに落胆。それでも、感動を与えてくれる花々はあるだろうと大径木のブナの森に入りました。歩くこと1時間強、めざす北どぶ湿原に付きました。
これは上旬の様子。ワタスゲで覆いつくされているはずがすでになく、ニッコウキスゲがはやばやと少しだけ花を見せています。


ダイコンソウ

2016年08月26日 | 自然観察日記
根生葉がダイコンの葉に似るといわれることから名づけられたものですが、なかなかしっかりと根生葉を見ることはありません。ダイコンの花には似ても似つかない花ですから、覚えたてのころはすごく違和感を覚えていた種です。カヤノ平北ドブ湿原に入る適湿地に生育していました。

ダイコンソウの果実

2016年08月26日 | 自然観察日記
ダイコンソウの果実は独特なです。雌しべの先がS字状に曲がります。結実後この先が取れてかぎ型の構造になりものに付着しやすい状態になります。なかなか工夫された造形です。

コメツガの新芽

2016年08月25日 | 自然観察日記
北横岳の針葉樹のもう一つの主役がコメツガです。溶岩地でもあり土壌の発達が良くないので比較的低木が多く、目の高さで観察できる個体も散在します。新芽がもこもこと伸び始めてきた時期です。一見花の様でもあり美しい姿を見せていました。

コメツガの若い球果

2016年08月25日 | 自然観察日記
コメツガの花や球果などはあまり気づかないのですが、今回はできたばかりと思われる球果を発見。まだ中の種子は熟していないようで裂開もしていません。濃青色の球果も印象的で初めて認識するには十分なインパクトがあります。枝先に垂れて形成されることもしっかりと記憶します。

ハクサンシャクナゲ

2016年08月24日 | 自然観察日記
毎年どこかの山で見ているハクサンシャクナゲ。今年も北八ヶ岳で見ることができました。シャクナゲは場所によっては大群生になっていることが多いのですが、ここ北横岳は大きな群生は見られずこじんまりとして生育しているようでした。年により花の多い少ないがあるので今年は少ないせいか目立たなかったのでしょうか。この花は白から薄い桃色でアズマシャクナゲに比べどことなく質素です。それでも満開に咲かせた花は見ごたえがあり青空に映えて美しいものでした。

ハクサンシャクナゲの葉

2016年08月24日 | 自然観察日記
高山の針葉樹林帯以上に生育する正真正銘の高山植物。西日本の高山はあまりなじみがないので分かりませんが、アルプスから北は北海道まで高山帯に行けばハイマツ同様大体見られる種で地域的な偏りを耳にしません。そういう意味では面白い生態の持ち主に思えます。

オサバグサ

2016年08月23日 | 自然観察日記
北横岳ヒュッテあたりからオサバグサが目立ち始めます。高山でオサバグサに会うのは実に15年くらいぶりです。信濃五岳の一つ黒姫山の山頂鞍部で出会って以来のこと。とても懐かしい気がしました。このオサバグサとの最初の出会いが南アルプスの転付峠(でんつくとおげ)付近でした。この時の一人旅は道に迷いやむなくビバーク。さらに真夜中の山行も行い、道なき道を当たりの地形を手掛かりに行動したという今にして思えば無茶の塊のような無謀極まりないものでした。結果地形の読み取りが功を奏して目的地へ辿り着いたのですが、この時に出会ったおびただしい数のオサバグサの群生地に出会い大いに心を癒されたものです。この時以来オサバグサは私にとっては神聖な存在で、「天涯の花」の一つです。

オサバグサの花

2016年08月23日 | 自然観察日記
鼻茎は20cm程度。花は純白で4枚の花弁、大きさは1cmくらいで決して大きなものではありませんが、大きなものでは10数輪まとまって花をつけます。針葉樹林帯の被圧植物の少ないところに見られます。南アルプスで見た大群落のようなものは以来一度も見ていませんが、時にまとまって群落を形成しています。

オサバグサの葉

2016年08月23日 | 自然観察日記
一見シダ植物のような葉をしています。北横岳の個体群は概して貧弱で個体は大きくなく花数も少ない感じがしました。以前はケシ科オサバグサ属として分類されていましたが、ケシ科でなく独立した科として扱われるようになったのでしょうか?

オサバグサの花 拡大

2016年08月23日 | 自然観察日記
日本産の1属1種の花。大群落を形成するという面を持ちながらあまりひろく普遍的に生育していないようで希な種という扱いです。行きやすい場所として福島県の帝釈山には多いような情報がありますね。しかし、きっと南アルプスの針葉樹林帯には素晴らしい生息地が残っているのだろうと思っています。