スゲの仲間は大変難しいグループ。私は5割くらいの理解力で観ている感じなのですが、春はスゲの花の季節でもあり恐る恐る近づいているといったところ。日当たりのよいのり面に細長い葉を垂下げたスゲがありました。越後ではどこにでも見られる種でコシノホンモンジスゲというものです。長い葉は昨年のもの。新しい葉と一緒に伸びだした花柄には花が咲いています。葉は長いので乾燥しスゲ細工に利用することができます。
ホンモンジスゲの区別がついているわけではなく、越後に自生する種がコシノホンモンジスゲであるという範囲での話です。一般にスゲの仲間は雄の花穂は先端に1つ、雌の花穂がその下にいくつかつくという構造です。コシノホンモンジスゲも同じで、手前の茶色のものが雄花穂、奥の黒っぽい数個のものが雌花穂です。
春早いと普段見過ごしている種に目がいきます。このスズメノヤリもそういう位置づけでどこにでもあるのにこういく季節でないと注目されない種かもしれません。10cm前後の小さな多年草で花の季節なのですが、周りの枯れ草と似たような色彩ですから意識しないと見つからないかもしれません。イグサ科に分類されます。
3つに割れた柱頭を持つめしべわきに葯が目立つ6個おしべがあり、柱頭には花粉らしきものが付着していますが、葯はまだ裂開していません。雌性先塾の様子が見て取れます。この後花被片が平開し葯がはじけ雌性期にはいることになります。
この種は丘陵公園では自生していない種です。日本海に近いエリアの山域に帯状に見られる種です。柏崎は海岸に近く大体の里山には自生していて、ちょうど花の季節ですから花の匂いがぷんぷんしていました。この種もAPG分類(DNAによる系統分類)でツバキ科からモッコク科に変わったものです。サカキも同じモッコク科で神事に使う樹は大きな位置替えがありました。
ヒメアオキです。越後の里山の林床に普通に見られる常緑樹です。比較的浅い山域に見られると思います。太平洋側のアオキに比べ「ヒメ」で全体に小ぶり。このあたりが面白い現象で、私の知る限り同じものなら太平洋側のものは小型で日本海側のものは大型というのが大方の傾向なのですが、ことアオキに関しては逆になっています。まだつぼみがはじけたばかりの段階で開花したものを探すのが大変。
以前はミズキ科というくくりでまとめられていた種ですが、DNAの系統分類(APG分類)ではガリア科という名に変わるのですがいったいどういうものなのか全く不明です。
以前はミズキ科というくくりでまとめられていた種ですが、DNAの系統分類(APG分類)ではガリア科という名に変わるのですがいったいどういうものなのか全く不明です。
オクチョウジザクラはほぼ全県にまたがって自生しています。ただし、佐渡には生育していないようで採集記録が見当たりません。とても早く咲きだす桜で、ソメイヨシノなどの比ではありません。時に残雪があっても花が咲いている個体に遭遇します。柏崎の里山にやや遅めの花がありました。
なかなか暖かくならず寒波がぶり返すというような四月の上旬、長岡よりは暖かいだろうと柏崎の周辺で春を探してみました。実際はあまり変わらず里山フィールドミュージアムと似たり寄ったり。それでも海岸に近いので分布していない種も見られましたからそういう種も含めて紹介します。
アズマシロカネソウはフィールドミュージアム内にも自生はあります。ただ、生育に適した場所がなく個体数はとても少ない。水の滴るような崖がお好みなのです。
アズマシロカネソウはフィールドミュージアム内にも自生はあります。ただ、生育に適した場所がなく個体数はとても少ない。水の滴るような崖がお好みなのです。