森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハクサンチドリ

2017年09月17日 | 自然観察日記
鏡池への脇道は藪のひどい道で顔のあたりにはササやダケカンバなどの低木の枝が茂り姿勢を低くして進まなければならない状態です。ハイマツの枝もあったりで湖岸まではそれほど距離はないのですが若干の傾斜もあって少し歩きずらいものでした。そんなかがみながら歩いているとハクサンチドリの数株が綺麗な花を咲かせてくれている場所に遭遇。ちょっと苦労した甲斐がありました。

ハクサンチドリの花

2017年09月17日 | 自然観察日記
亜高山以上の湿り気のある場所に見られるラン科植物です。白山に多いことから付けられた名前でしょうが、各地の亜高山・高山帯に見られる種です。しかし、どこに行っても群生するような個体数が多い場所に巡り合いません。だいたい数株位の個体群ですからこの花に出会うとなぜか癒されます。今年も高山に遊びに来たことを再認識します。

鏡池

2017年09月16日 | 自然観察日記
本白根山をぐるりと回るハイキングコースがあります。その途中に鏡池という旧火口に水が溜まってできた湖があります。遠くから湖を見ると湖底に何かしらの文様が見えます。その正体を確かめるために湖の方に伸びている山道に入りました。

鏡池の湖底に広がる文様

2017年09月16日 | 自然観察日記
後で知ったのですが、湖底の構造土が六角状になっているために独特な文様が浮かび上がって見えるのだそうです。冬の厳しい気候の中地下水などの働きで自然にできたものとか。世界でも珍しい地形で「亀の甲羅」に似ていることなどから亀池という別名があるそうです。

ゴヨウイチゴ

2017年09月15日 | 自然観察日記
亜高山帯の針葉樹林の林床などでよく見られます。一見軟弱な草本つる性に見える種ですが、低木扱いです。棘が多くあまり触りたくない種です。

ゴヨウイチゴの花

2017年09月15日 | 自然観察日記
花は花弁が退化していて、がく片のみ。変わった花です。花は全開せず色も目立たないものですから、受粉はアリなどの地を這う昆虫などにゆだねているのでしょうか。果実は赤くなるのですが、キイチゴの仲間にしてはあまり大きなものにはなりません。

ガンコウラン

2017年09月14日 | 自然観察日記
ガンコウランは亜高山以上の岩場に見られます。花の時期が早いためにしっかりと花を観たことがないのですが、それでも時折遅めの花を観ることがありました。しかし、今年は皆目ダメ。実もなぜか見当たりません。夏山に登ってガンコウランの群落を観れば黒い実がびっしり付いていた経験は何度かあるのですが、今年はとにかく出会いません。

ガンコウランの若い実

2017年09月14日 | 自然観察日記
なかなか見つからなかったガンコウランの実、ようやく結実している個体を見つけました。果実はまだ熟していなくて青い状態。ガンコウランの実は黒い熟したものしか見て経験がありません。青い果実を観たのは初めてですから、そういう意味では貴重な年になりました。

コメツガ

2017年09月13日 | 自然観察日記
亜高山帯に普通に出てくる針葉樹です。高木になるのでしょうが今まで大木・巨木を認識したことがありません。せいぜい径は30cm、樹高15m位の個体があったような気がする程度です。そういえばオオシラビソも同じである程度大きくなると枯死したり折れたりしているようです。反対にクロベ(ネズコ)は高さははっきりしませんが巨木になった個体をときどき目撃してきました。

コメツガの新葉

2017年09月13日 | 自然観察日記
今回気になったのが新葉の色。鮮やかなといいますか黄緑色をした葉先をしている個体がありました。すべての個体でないのでいぶかるのですが、むしろ何かの病気?になった個体かなとも思いましたが、近くで見てみれば色の他は今のところ問題ないように見えます。やはり新葉なのですね。

芽吹きの遅い個体?

2017年09月13日 | 自然観察日記
新緑の季節は当に終わっているはずなのですが、コメツガの芽吹きは遅いのでしょうか。少なくとも一部の個体はかなり遅い芽吹きをすることになります。しかし、夏も盛りの季節では色彩的に森に変化をもたらしていて綺麗な景観を作っています。