森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

マルバダケブキのつぼみ

2017年09月12日 | 自然観察日記
高径草本の茂る中に少々異質なものを見つけました。マルバダケブキのつぼみです。近くに花が咲いている個体はないかと探しましたが、花にはまだ早くせいぜいこのような状態の個体ばかり。開花すれば大きめな黄色い花が咲き草原は賑やかになるのですが、今は嵐の前の静けさと言ったところ。それにしても、つぼみの姿も面白いもの。子供が競争で頭を出している姿にも見えてきます。

マルバダケブキの苞葉

2017年09月12日 | 自然観察日記
実はつぼみよりこの色づいたふくらみの方が目につきました。このふくらみの中に前出のつぼみが数個入っています。つぼみが成長肥大するにつれて苞葉は割れて中から花茎を伸ばしながら開花してくるのでしょう。それにしてもなぜこの時期に褐色の目立つ色をしているのでしょうか。何かしらの意味があると考えてみましたが、プラス要因よりマイナスの要因しか思いつきません。

マルバダケブキの葉

2017年09月12日 | 自然観察日記
マルバダケブキはときどき群生をしているのですが、ここはススキやササなどが目につく場所でそれらをかき分けてマルバダケブキの葉を確認しました。大型の腎円形の葉が特徴です。この個体は若いのか花茎を出していません。

ヤマブキショウマ群生

2017年09月11日 | 自然観察日記
温帯に広く分布する種だそうです。垂直分布も広く低山里山から高山にまで見られます。雌雄異株でバラ科の種。そう説明すると多くの方はおごろ枯れます。「ショウマ」という名前も紛らわしいもので、トリアシショウマやサラシナショウマなどと一緒に花があると大変混乱されます。しかし、そういう複雑な点が逆に興味を示してくれる部分もありますから、どの程度の力量をお持ちなのかを計るのに重宝する対象です。

ヤマブキショウマの雄花

2017年09月11日 | 自然観察日記
ヤマブキショウマは亜高山帯に多い種のように感じています。里山フィールドミュージアムにも自生していますが個体数は決して多くなく、ほぞ細と生きている状態です。暑さが苦手なのでしょう、涼しい高原に比較的まとまった群落ができています。雌雄異株ですから花の感じで雄株雌株が区別できます。これは雄株、雄花のみで花序が形成されています。

ヤマブキショウマの葉

2017年09月11日 | 自然観察日記
3回3出複葉。花序が個体によってあるいは地域によってとても感じが違います。花序が密になるものと疎になるものは同じ種とも思えないときがありますが、葉を見れば同じものと納得がいきます。

イワオトギリ

2017年09月10日 | 自然観察日記
山登りをしていると普通に出てくる種の一つで、普通にあるがゆえにあまり注目もされない種かもしれません。黄色い花は登りの苦しさを和らげ元気を与えてくれるます。

イワオトギリの葉裏

2017年09月10日 | 自然観察日記
オトギリソウは葉は対生しています。よく似たシナノオトギリとは黒点の分布の違いで区別します。全体にパラパラと分布するのがイワオトギリ、縁に偏って分布するのはシナノオトギリ。オトギリソウは低山に生育する種ですが黒点の密度はかなり高く全体に分布しています。黒点がなく明点があるのがサワオトギリです。葉の形状はそれぞれ微妙に違います。

ハクサンオミナエシ

2017年09月09日 | 自然観察日記
まだ開花前ですが、すでに色づき華やいできたつぼみをつけていたハクサンオミナエシ。樹木もない砂礫地の真ん中に一塊の小さな群落がありました。ハクサンオミナエシは岩場であってももう少し日陰になるような環境で見ていますから何もない砂礫地に生育する姿は珍しいかもしれません。

岩の隙間に身を置くハクサンオミナエシ

2017年09月09日 | 自然観察日記
幾分大きめな岩の裂けめに根を下ろしたハクサンオミナエシ。あたかも木陰を求めているような姿でした。遠くにはハイマツが生育していますから、あの根本あたりにはもっと個体数が多いのかもしれません。

ヒメシャジン

2017年09月08日 | 自然観察日記
コマクサの生育する砂礫地にはほとんどほかの種が見られませんが、わずかに見られる山野草の中にミヤマシャジンがあります。決して個体数が多い感じではありませんが、周辺の比較的安定した砂礫地に生育しているようでした。

ヒメシャジンのがく片を見る

2017年09月08日 | 自然観察日記
この仲間は変異の多いグループということになっています。ミヤマシャジンという種がありますが、ヒメシャジンとの差の一つががく片に距が出るかでないか。この絵ではがく片が細く距が出ていますから、ヒメシャジンということになります。しかし、変異が多様なため区別しないという考えもあるようです。