サワアザミは幾分湿り気のある日当たりの良い場所に群落を作ります。新潟県内の分布は佐渡を除く県全域に見られるものの深山の沢沿いに偏っています。ただ、阿賀野川水系では村松地内の山麓部にも比較的多くみられるようです。山菜としても優秀らしく愛用している人は多いのではないでしょうか。
ついに出会いました。ツチアケビの果実です。何とも言えない魅力的な造形で美しいというより神秘的な感情の方が大きく大いに感動しました。今年は人生70年を過ぎて初めての経験をさせていただいたことがいくつかあるのですが、9月のクマとの近距離での遭遇と10月のツチアケビの果実に出会ったことは特筆できる2大出来事になりました。
初夏に福島の観音沼付近でツチアケビの花を見ました。これも初めてのことでした。その後を見ようと9月に3時間もかけて同じ場所に出かけたのですが、残念ながら草刈りでしょうかきれいさっぱり跡形もなく消失していてとても落胆していました。せっかくの機会を逃してしまったと落ち込んでいたのですから見事なツチアケビの果実に出会えた時の喜びはそれはそれは大変なものでした。
初夏に福島の観音沼付近でツチアケビの花を見ました。これも初めてのことでした。その後を見ようと9月に3時間もかけて同じ場所に出かけたのですが、残念ながら草刈りでしょうかきれいさっぱり跡形もなく消失していてとても落胆していました。せっかくの機会を逃してしまったと落ち込んでいたのですから見事なツチアケビの果実に出会えた時の喜びはそれはそれは大変なものでした。
アケビというより赤いバナナのようは果実です。大きさは10㎝くらいで太さは2㎝ほどあります。大小さまざまですがそれが20個くらいついています。もっとも花の数はこの数倍で結実する確率は20%~30%くらいでしょうか。
小さな種子を少し拡大して観てみました。縁に翼があることがわかります。種子が小さいことと種子に翼があることから風に乗り遠くまで飛びやすい構造だと理解できます。しかし、ツチアケビの果実は他のラン科植物とはことなり果実は熟しても裂開しないとい性質があります。動物などに食害されない限りそのまま朽ち果ててしまうということになります。種子が空中に飛び出すことはない種なのです。
ツチアケビはナラタケを利用して生活するという腐生植物として知られています。ナラタケと共生していいるというよりナラタケから栄養を取り生活するという寄生的になっていいると考える方が正しいようです。ナラタケは最も強烈な木材腐朽菌の一種で枯死した森の木々を分解する働きをしているとされます。そのナラタケを利用して生きているツチアケビ、不思議な生き方を選んだものだと思う次第です。今回のツチアケビが自生していた環境はブナ林の一角で低木が生い茂る南面の傾斜地でした。写真の中央にある赤い小さなものがツチアケビです。
今までズダヤクシュを見るときはほぼ群生していて単独で生育している場面には出会った記憶がないように思います。したがって単独で生育している姿を見ると新しい種にでも出会ったのかと錯覚してしまうほどです。湿ったところに群落を作って生育しているのではなく樹林下の散策路脇にポツンポツンと生育していました。比較的湿った環境かなという雰囲気はあるのですが、それほど湿潤でなくズダヤクシュがあまり好まない渇き気味な場所なのでしょうか。
里山にはない種で深山から亜高山帯で見られます。果実がない株を見たときは何だろうと思いました。ユキノシタの仲間というのはすぐに分かるのですが、きちんとした5角形の葉です。葉裏は度も見ながらズダヤクシュに近づいていきました。果実を持つ個体に出会い一件落着です。
ブナ林の縁にセンブリを見つけました。久しぶりに出会う種ということもあって大いに感激したのですが、センブリがブナ帯に自生するというのに少々驚きです。まぎれもなくセンブリそのもので遅くまで花が見られる種ですから樹々の色づきをそっちのけでしばし花を堪能しました。
センブリは越年草です。この開花している個体はこれから種子を作り発芽させ幼植物を作り冬を越すことになるわけですが、10月から成長が可能な11月半ばころまでのわずかな時間にそれをこなしていくことができるのか少々不思議な気がします。古くからの民間薬として重要な種でいたるところに見られたといいます。それが近年すっかり山野で見かけなくなってしまいました。山を利用して生活する習慣がなくなってきたことがこの種を衰退させている原因の一つだといわれています。
栗駒山に登る前日、山麓に宿泊しました。ブナ林で覆われた山地帯の宿で日が沈む前に周囲を散策しました。その時に気になった一つがノッポロガンクビソウです。かなり暗い場所に自生していましたから新潟で見かける草姿と異なり別種ではないかと思ったほどです。しかし、いろいろ調べてみるとノッポロガンクビソウに行き当たります。
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