裏山にササユリが突然咲き出した。毎年数本は咲くが、道草山に立ち入らないと見られない場所だったのでゆっくり見ることができなかった。それが玄関から出て裏山を振り向くとキラリとたたずむササユリがしっかり見える。この色合いの微妙さはヤマユリやカノコユリの華々しさとは違う日本的なおくゆかしさがある。
ササユリは発芽してから花をつけるまでに7年はかかるという。種を取りたいと思いつつ、いつも気がついたときは存在がわからなくなってしまっていた。「ここにいたんだよー」と裏をかかれたような気分だ。なにげないまわりの雑草がこのひときわ魅入る美人を演出しているかのようだった。
このところ、アカショウビンやサンコウチョウらがときどき鳴いているのがわかったが、姿は一度も確認できていない。そうしたいくつかの野鳥たちの声が断続的に畑に響いてくるがそれぞれの名前がわからないのが残念だ。