THE 4TH KIND フォース・カインド
2009年/アメリカ
テレビ番組の功罪
総合
0点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
恐らくこの作品はアラスカ州ノームで起こった出来事の真偽を証明するというよりも、そのような真偽のあやふやな出来事を描く上でどのような描写にリアリティーが宿るのかということに観点が置かれている。そしてこの作品で試みられたように再現映像と記録映像を同時に見せて、明瞭な再現映像よりも不明瞭な‘記録テープ’に私たちはよりリアリティーを感じるということを監督は証明したかったのであろうが、言うまでもなく私たちが一番リアリティーを感じるのは‘明瞭は記録映像’である。
しかしリアリティーをテーマにするのならば、映像以前に物語がしっかりしていなければならないはずなのだが、残念なことにこの作品はストーリー自体にリアリティーが足りない。私は当初、主人公が精神科医という設定から、人間の深層心理と宇宙人の存在の関係性を考察するものだと思っていたのだが、そのような深遠なものではなかった。
録画された複数の‘怪しい’テープが存在するにもかかわらずオーガスト保安官はその怪しさを無視してアビゲイル・タイラー博士を事件の犯人と決め付けてしまうし、それほど疑い深い保安官を何故タイラー博士は催眠療法の場に立ち合わせなかったのかも疑問が残る。そもそも宇宙人が何故地球人を拉致したり、拉致した人間を帰したり帰さなかったりするのか、その意図が全く分からない。いくらなんでも宇宙人を悪く描きすぎであろう。
それにもかかわらずこの作品をけっこう楽しく観ることができたとするならば、それはたぶんこの手のテレビ番組を見慣れてしまっているせいなのかもしれない。
北米映画興行収入=「アバター」が1位、世界興収10億ドル超(トムソンロイター) - goo ニュース
この映画のストーリーはとても胡散臭いものだと思う。22世紀の人類が地球から
遠く離れた衛星パンドラにある希少鉱物を採掘するためにパンドラに住んでいる
ナヴィと呼ばれる者たちに戦争を仕掛けるのだが、いくらなんでもたかが希少鉱物
を獲得するために原住民を抹殺するほど未来の地球人は過去の歴史を全く学ぶ
ことのない愚かな生き物に成り下がっているというのだろうか? ラストシーンでは
下半身不随だった主人公のジェイクがその体を捨てて、新しい“アバター”の身体
に乗り移るのだが、これは宗教的な“イニシエーション”である。ここまで見れば
この映画は明らかに“原始回帰”を目指す新興宗教の教義の物語である。監督の
ジェームズ・キャメロンがこの物語をあくまでも集客を目的としたものなのか、または
監督自身が“マジ”で“信仰”しているのかいまひとつその真意が見えないのである。