MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『誰がため』 80点

2010-01-05 22:56:18 | goo映画レビュー

誰がため

2008年/デンマーク=チェコ=ドイツ

ネタバレ

レジスタンスのあり方とは?

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 この作品は同じ題材を扱った、クエンティン・タランティーノ監督の『イングロリアス・バスターズ』のような派手さもなければ、ブライアン・シンガーの『ワルキューレ』のようなサスペンス性もない。さらに言うならばこの物語には‘ヒーロー’さえいない。主人公であるフラメンとシトロンは実質‘テロリスト’として描かれている。恐らくは‘テロリスト’のようにしか描けないデンマークの‘英雄’たちだったからこそ今まで映画化できなかったのだと思う。たとえ世界が‘9.11’を経験したとしても私たちはテロリストの行為を許すことはできないにしても、テロリストの心情を察することができるようにはなっている。そこでようやくこの実在した2人のレジスタンスを描けるようになったのであろう。
 しかしイスラム教信者のテロリストと違い、フラメンとシトロンがどのような経緯で過激なレジスタンスになったのかその過程が描かれていないことが残念に思う。たとえばフラメンのあだ名の由来が染めた髪の毛から来ていることは説明されていたが、シトロンのあだ名の由来がシトロエンというフランスの自動車製造会社のコペンハーゲンにある工場で働いていたからということは説明されていなかったように思う。つまり2人の素性がよく分からないために感情移入することが難しいように感じた。
 それでもこの作品に観る価値がある理由は、2人の上司であるヴィンターにしても、フラメンの恋人であるケティにしても、信条ではなくて自分の利益を優先させることが自分の命を守ることに繋がるという皮肉である。そもそもレジスタンスとは自国の‘利益’を守るためになされるはずなのだから。フラメンを騙して、報酬を受け取ったラストシーンでそのようなアンビヴァレンスを抱えた涙を流すケティに私たちは心を打たれる。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

対話ができない国

2010-01-05 00:02:34 | Weblog

沖縄知事、小沢氏の「埋め立てダメ」発言を評価(朝日新聞) - goo ニュース

 前原誠司沖縄・北方担当相が去年の12月9日にルース駐日米大使と会談し、

米側に受け入れ可能な代案が5月までにまとまらなかった場合、社民党と国民新党

との連立を解消してでもキャンプ・シュワブ沿岸部(同県名護市辺野古)に移設する

現行計画を進める用意があると伝えていたことが明らかになったばかりであるが、

実質上の首相である小沢幹事長は辺野古への移設案に難色を示しているという

相変わらずの閣内不一致には呆れてしまう。結局日本は“強硬”でいくにしろ“弱腰”

でいくにしろ、アメリカにどのような態度で今後の関係を築いていくつもりなのか全く

ヴィジョンが見えてこない。このような中途半端な状態が続くようだと、北朝鮮と同じ

ように見做されて“対等な対話相手”と見られなくなる最悪の可能性が出てくる。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする