MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『天使のはらわた 赤い教室』 80点

2010-01-21 22:56:14 | goo映画レビュー

天使のはらわた 赤い教室

1979年/日本

ネタバレ

退廃に巣くう‘ポルノ’と‘芸術’

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 雑誌編集者の主人公である村木哲郎は、たまたま目にしたブルーフィルムの女性に見覚えがあったが、誰だか思い出せなかった。その後仕事に使うホテルの部屋を予約しようと電話をした時に、村木はその女性を思い出す。彼女はいつも彼が利用しているホテルの窓口の受付をしていた名美だったのだ。村木は名美に雑誌のモデルになってくれるように頼むが、名美のブルーフィルムの出演は仕事ではなかったことを知る。村木はどうにかして名美と翌日再会することを約束したが、翌日村木は未成年との淫行という誤解で逮捕されてしまい、名美と会うことができなかった。それから3年が経ち、村木は結婚していたが子供に名美と付けるくらいに名美のことが忘れられずにいた。偶然名美と再会したが、名美はすっかり落ちぶれていて場末のバーでマー坊という男と組んで客を集めて‘ハプニングショー’を演じた後、客たちを相手に体を売っているのを村木は目撃してしまった。村木は名美を呼び出して一緒に逃げようと誘ったが、名美は彼の申し出を拒んでしまう。
 このように粗筋を書いてしまうと、名美の薄幸さが目立つだけだが、この作品は‘ポルノ’と‘芸術’の境界を描いている。ポルノ雑誌編集者の村木の事務所の壁には女性のヌード写真と共にゴヤの横たわる女性の裸体画『裸のマハ』が掛けられていることからも分かるように村木は名美の美しさに‘ポルノ’ではなくて‘芸術’を見出し、それまでマンネリと化していた写真撮影を再びやりたいという気を村木は持てるようになる。
 ところで薄幸の名美の振る舞いは男性に対する恨みを晴らすようなものである。村木と再会できなかった名美は行きずりの男性をホテルの部屋に誘う。最初は楽しんでいたその男性は名美のしつこい要求にだんだんと恐怖が芽生えてくる。マー坊にしても名美に奴隷のように扱われている。名美は自分の美しさを‘芸術’として扱うつもりはなく、‘ポルノ’として利用するのである。そこに村木と名美の埋めることのできない絶望的な断絶がある。
 映画館内に『天使のはらわた 赤い教室』に関する蓮実重彦のレビューが貼ってあった。何回も読み直してみたが結局何が書かれているのか理解できなかった。そこにも絶望的な断絶があったのである。


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“無料お試し”の罠

2010-01-21 00:04:51 | Weblog

「無料お試し」宅配ビデオ、知らぬ間に利用料(読売新聞) - goo ニュース

 以前からインターネットでの注文で、借りたいDVDやCDが自宅に届く「宅配ビデオ

レンタルサービス」というものに疑問を感じていた。月額定額の利用料ということで

一見お得なように見えるが、よくよく考えてみるとそんなにDVDを見る時間など

取れるものだろうか? もちろん暇な時はあるのだが、忙しい時もあるわけで、

忙しい時にはサービスが提供されていても利用のしようがない。それならば宅配

ビデオではなくて暇な時に多少手間隙をかけてでもDVDを借りに行った方が結果的

には得になるのである。そもそも私はクレジットカード決済というものを全く信用して

いないのでクレジットカードさえ一枚も作っていない。


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