原題:『関ヶ原』
監督:原田真人
脚本:原田真人
撮影:柴主高秀
出演:岡田准一/有村架純/平岳大/東出昌大/役所広司/滝藤賢一/壇蜜/西岡徳馬/松山ケンイチ
2017年/日本
戦場における女性の活躍の限界について
とりあえず本作を楽しく観賞するためにはある程度の関ヶ原の戦いに関する知識がなければストーリーについていくことは難しいと思うのだが、それでも2時間半という上映時間の長さを感じさせない演出の上手さを感じた。
本作は史実に基づくものではなく、いわゆる「司馬史観」と呼ばれる観点から描かれていると思うのだが、関ヶ原の戦いで石田三成が率いる西軍が負けた原因は、三成が豊臣秀吉と同様に武家ではなく下層民出身だったからという描き方が興味深い。ここに出自による差別があったのではないのかというのが司馬の考えなのであろう。
三成の愛妾である初芽が大谷吉継の元へ使いに行った帰りに襲われ、として売買されるような境遇に身を崩した際に、同じ境遇に身を置く女性たちとつるんでいるのを見て、もしかして初芽は「ワンダーウーマン」のような活躍を見せるのかと期待した理由は、もちろん『ワンダーウーマン』(パティ・ジェンキンス監督 2017年)を観たばかりだったからである。