原題:『夜の帳につつまれて』 英題:『My Brother』
監督:松林悠依
脚本:松林悠依
撮影:松林悠依
出演:林原翔/川合結人/秋山大地/野村考/千代反田美香/有賀さやか/うつみ敦士/吉野志乃/野村啓介/大塚治/青木辰ノ助/山崎将平
2021年/日本
有り余る才能が貧乏を招くパラドックスについて
マルチな才能を持っている人というのがいて、松林悠依監督も脚本や撮影のみならず自ら作詞、作曲、ギターまで弾いて「いつまでも」という主題歌まで歌っているのだから皮肉ではなく大したものであり、自分でできるのならば誰でも自分が作りたいように作るのが理想だろうが、やはり本作を観る限りは器用貧乏という域を出ていないように感じる。
主人公の裕也がたまたま盗もうとした車に乗っていて育児放棄されていた小学生の海斗を連れて旅に出るのだが、間もなくして裕也は誘拐犯としてニュースになってしまう。ところが裕也が実の母親に会いに行っても実家に警察官が張り込んでいる様子はなく、途中で出会った少女の父親に身元がバレて警察に通報する前に父親が二人を捕まえようとしてグダグダな感じでベランダから逃げながら二人とも靴はきちんと履いているのだからシラケてしまった。