原題:『Dating Amber』
監督:デイヴィッド・フレイン
脚本:デイヴィッド・フレイン
撮影:ルーリー・オブライアン
出演:フィン・オシェイ/ローラ・ペティクルー/シャロン・ホーガン/バリー・ウォード/シモーヌ・カービー
2020年/アイルランド
ゲイの困難さについて
『シャイニー・シュリンプス! 世界に羽ばたけ』(セドリック・ル・ギャロ/マキシム・ゴヴァール共同監督 2022年)はフランスのゲイの物語だったが、本作はアイルランドの1995年の高校生のゲイのエディ・コッターとレズビアンのアンバー・キーナンの話である。エディが同級生の女子に「ブラー」の誰かに似ているから好きというギャグが面白いのだが、その誰かは分からなくてはいいものの、「ブラー」というロックバンドを知らないと分からないギャグではある。因みにアンバーは「ビキニ・キル(Bikini Kill)」が好きだと言っているが、「ビキニ・キル」は1997年に解散している。
エディとアンバーがアンバーの母親のジルに勉強のために外出許可を得るために見せていた本の一冊はジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw)に関するものなのだが、バーナード・ショーはノーベル文学賞を受賞している有名な作家ではあるのだが、『マイ・フェア・レディ』の原作である『ピグマリオン』(1913年)以外は忘れ去られている作家で、アイルランド出身ということで取り上げられたのだろうか?
アンバーは大学の文学部に進学することでまだ余裕があるが、エディはアンバーの説得により土壇場で入隊を回避しても、だからといってエディ本人も自分がゲイであることを認め切れていないこともあってどこへ向かっていいのか分からないところにゲイの困難さがある。
アンバーを演じたローラ・ペティクルーには『17歳のカルテ』(ジェームズ・マンゴールド監督 1999年)のアンジェリーナ・ジョリーのような才器を感じた。
エンドロールで流れた2009年にリリースされたThe 202sの「シュート・ユー・ダウン」を和訳しておきたい。
「Shoot You Down」 The 202s 日本語訳
君の夢がかなり現実に近づけたように思えた日を君は思い出すのか?
君が成し遂げられると思えた全てを信じていた日を君は思い出すのか?
今君は目に映っていたものを失い
貴重な記憶に囲まれたまま
君は顔を上げようとしない
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるなよ
君が試験に落ちたという噂を聞いた
君は諦めた方が良い
全盛期を過ぎてしまったのだから
君は十分に頭が良いとはいえない
君は美し過ぎるから
大都会へ引っ越して
髪を切って仕事を得る必要があるんだ
貴重な記憶に囲まれたまま
君は今は違うが特別な存在だと自分を思っている
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるな
そんな思い出に君を失望させるなよ
The 202s - Shoot You Down
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