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原題:『Mission: Impossible – Fallout』
監督:クリストファー・マッカリー
脚本:クリストファー・マッカリー
撮影:ロブ・ハーディ
出演:トム・クルーズ/ヘンリー・カヴィル/ヴィング・レイムス/サイモン・ペッグ
2018年/アメリカ
本物の「肉体派俳優」について
クライマックスを爆弾の導線の切断というお決まりの展開が却ってかつて「スパイ大作戦」と呼ばれていた時代を思い出させる。
ところで「肉体派」として知られている俳優としてかつてはアーノルド・シュワルツェネッガーやシルベスター・スタローンの名前が挙げられていたものだが、本作の主人公のイーサン・ハントを演じたトム・クルーズは前半のヘイロジャンプやカーチェイスを経て、オーガスト・ウォーカーを追跡するためにパリ市内の屋上を走り回り、カシミール地方でもウォーカーを捕らえるために彼らが乗る2台のヘリコプターの片方から垂れているロープにしがみ付き(上の写真)、ロープをよじ登って乗っていた2人を突き落としてハント自身が操縦してウォーカーが乗っているヘリコプターを追跡し、2つのヘリコプターが山頂に激突した後に、崖っぷちでウォーカーと戦い、2人ともに谷底へ転落しそうになったのだが、ハントが辛うじてロープにしがみついて助かってから崖の上にある起爆装置を停止させるためにボルダリングで登ってスイッチを押すのである。
マーベルのキャラクターでさえ何らかの超能力を持っており、あるいはジェームズ・ボンドならば秘密兵器を持たされているのだから、いまやトム・クルーズは見た目ではない本物の「肉体派俳優」と言っても過言ではないだろう。
ちなみに「フォールアウト(Fallout)」とは核爆発後の放射性降下物、いわゆる「死の灰」の意味である。