上質の牛肉をしゃぶしゃぶにするか、それともすき焼きにするかでいつも迷う私だが、今回は明確にすき焼きと決めていた。しかも関東の割り下ではなく、魯山人風(前期)でいこうと。
京都出身の魯山人が愛したすき焼き(砂糖不使用)を15年前に某料理雑誌で見た時には本当にびっくりした。中島貞治さんの解説では鍋に牛脂を十分に溶かし牛肉を焼き、酒、味醂、醤油(の順)で味付けする。ここに野菜を入れないのがミソ。
甘みを極力抑えたすき焼きを20代の頃にはさほど評価していなかったが、今ではこの調理法の虜になっている。肉の焼き過ぎに注意することと大量投入を避けることがポイントだろう。