親玉本店と書かれた大きな看板。旧八日市市の有名な和菓子屋である。私は店の人が出て来るまで商品陳列ケースを眺めていた。ういろと三色団子の他に紅白の餅状の菓子が並んでいる。
私は眠そうな表情の女将さんに訊いた。
「このお餅の様な菓子は何です?」
「いがまんじゅうです」
何の知識もない男は更に質問を続けた。
「伊賀って、あの三重県のことですか」
女将さんはやや驚いた様子で商品の説明を始めた。
「いえ、いがまんじゅうは日野町の名産なんですよ。今は三代目が作っております」
「ほー。そうなんですか」と答えたものの蒲生郡日野町起源の菓子ということしか理解できなかった。
彼女に八日市新地をぶらついて来たことを伝え、最近の歓楽街の賑わいについて探りを入れてみた。
「繁華街が沖野に移ってからはサッパリ・・・やっぱり車が停められないのは不利ですよね~」
あまりに正直過ぎる返答である。
「せっかく八日市まで来たんでこれから商店街を歩いてみようと思います」
まんじゅうの包みを持って店を出た私は向かいに太い石柱があることに気づいた。
私は眠そうな表情の女将さんに訊いた。
「このお餅の様な菓子は何です?」
「いがまんじゅうです」
何の知識もない男は更に質問を続けた。
「伊賀って、あの三重県のことですか」
女将さんはやや驚いた様子で商品の説明を始めた。
「いえ、いがまんじゅうは日野町の名産なんですよ。今は三代目が作っております」
「ほー。そうなんですか」と答えたものの蒲生郡日野町起源の菓子ということしか理解できなかった。
彼女に八日市新地をぶらついて来たことを伝え、最近の歓楽街の賑わいについて探りを入れてみた。
「繁華街が沖野に移ってからはサッパリ・・・やっぱり車が停められないのは不利ですよね~」
あまりに正直過ぎる返答である。
「せっかく八日市まで来たんでこれから商店街を歩いてみようと思います」
まんじゅうの包みを持って店を出た私は向かいに太い石柱があることに気づいた。
