ショウジョウバカマが開花した。かっては群生地だったここは見るも無残な衰退振りだ。ところどころ疎らに株があるだけになってしまった。
これらも早晩、盗掘と踏み荒らしで消えてゆくのだろうか。十年前は花の絨毯が家一軒分くらい広がっていたのだ。
今在る株もしばらくすると掘り跡だけを残して消えるのが出てくる。これは例年の行事になってしまった。
掘り取らないで写真を撮っていく人もいるのだが、これはこれで繁殖地の林床を踏み固め踏み荒らしてしまう。ここの林床は踏み均されてしまっている。生息環境にはほど遠くなってしまった。ロープや手摺は最低限の設備になってきた。
小生の子供の頃の里山は、ショウジョウバカマやカタクリ、雪割草などいくらでもあったが、あえて採ったり踏み入ったりはしなかったものだ。
半年も雪に閉ざされる雪国の地だっただけに「春の喜び」はお互い「不可侵」あるいは「共有」していた同士だったのかもしれない。そんなことを思った惨状だった。