ビオトープに蝶類の食草として植える実生のユズの苗木を林内へ掘り取りに向かった。日陰の一角はスギナの群落だった。土筆はまばらに数本だけだ。「スギナ」と言うだけのことはある。なんとなく杉林の風情だ。
日当たりの良いところは土筆で溢れていた。土筆に混じって山蕗のフキノトウがいっぱい出ていた。ここはシーズン初期に採り尽されて終了、と思っていた場所である。二番手か三番手が頭を伸ばしてきたのだ。ここを狙っていた採集者も思わない事態だったに違いない。
そのお陰で、いつになく時期を少々逸したフキノトウを採集できた。これはやっぱりフキ味噌仕立てだが、今回は静岡おでんに掛ける「おでんの粉」を花カツオ代わりに使ってみた。
ごま油を使用したのでゴマ風味が勝ちすぎたが、熱いご飯にも指に付けて「ペロリ」でも、どちらでも美味しい舐め味噌に仕上がった。レシピの無い料理人は恐いもの知らずである。
ところで「舐め味噌文化圏」は雪国が中心なのだろうか。食べながらフッと想ったことなのだが。