業者が丸太を切り出していた。サイズをそろえて胴切りした後、楔を使用して半割りにしていた。何に使用するのか訊ねたら「側溝の蓋にする」との答えだった。我々が最初にフイールドにした現地が「里山体験学習地」となって整備されて5年、側溝の蓋にしていた木材が腐食したための交換なのだという。
伐り出していた斜面の林は、間伐もやってないような場所だったから、断面を覗いてみたら「あーあ!」と言いたくなる年輪の様子だった。胸高直径一尺未満の樹径ばかりだが、おしなべて太りが悪い。当たり前と言えば当たり前なのだけれども、年輪の数を数えて更にガックリすることになった。
まあ、側溝の蓋にするのだから年輪が緻密なのは良いのかも知れない。我々が間伐しようと思えば作業するのに「待った」が入る事は無いものの、広場の林寄りに送電線が添っていて倒すのに支障がある。山側に倒すのが安全なのだが、密生して掛かり木になるのは間違いなく、必要な条件を考えると手出しは出来ないエリアなのだ。
業者はさすがである。10人で来て、午前で必要な半割りをそろえて運んでしまった。