啓蟄は3月6日だ。といっても虫たちは既に花に訪れている。花粉も鼻に訪れている。みんな春だから浮き浮きと訪問したくなるのだろう。トロル小父の行く先は山だけであるから、足元から賑わってくるのは自分の賑わいの様な錯覚がある。と言うより誤認知なんだろうが、こういうことから「認知症」と付けたのだろうか。
オオイヌノフグリに訪れていたのは、蜂とも蝿ともつかない昆虫だった。腹部の黄色と黒の模様がなんとも美しいのだが、これは裸眼ではわからなかった。PCで再生して初めて判った模様である。当然、虫の名前はわからない。
フキノトウにも虫がついていた。こちらはカメムシの仲間だと見当がついたがそれだけ…。行きずりの花に虫が確認できるようになって、野山も少しずつ賑わいを増してきているようだ。そういえば、遠くの裸木も霞みを帯びてきた。特に柳の類は明らかに「萌えて来た」と思える淡黄色の霞状に見える。「春だなあ!」と思う反面、故郷はまだ数メートルの雪の下なのだ。日本は広い。