雨の降りだす前にと、竹の古い集積場所を切り返しに行った。先日、植樹をした時に腐食が進んでいないのを危惧しての事である。一方ではセッセ、セッセと集積し、他方で切り崩し切り返す、全く阿呆の所業だと思いつつ…。
どういう訳か埋もれてしまった竹は変色しているものの、まだ竹の姿そのままで、靴で踏みつけても潰れない強度を保ったままである。思うに酸素不足と見当をつけて、堆肥を作る時の様に「切り返し」を行えばOKとふんだのだ。
鍬で掘り起こすのが楽なのだが、柄が短いから引き広げるのに不便で、柄の長い造林大鎌を持ち出して広げた。言わば鳶口代わりである。広げて判ったことは「生物がいない!」。皆無だった訳では無く、カブトムシの幼虫が数匹転がり出たが、それだけだ。他の腐食質を好む生物や越冬中の生物も見られない貧弱さだ。
普通、落葉や木質部が分解していくと、少なからず腐葉土となり、その下の表土とも親和して一体となるのだが、竹の腐食では、そうはなっていなかった。全く一線を引いて下の土の表面に馴染んでもいなかったのである。竹の中に生物を忌避させる成分があるのかどうか知らないけれど「竹の独占欲・排他性」みたいなものを垣間見た感じであった。
さあ、この作業の結果、夏草が生い茂ってくると散乱した竹が刈り払い機での作業の邪魔になるのに、ひとつ事を起こせば、その結果に手を取られることになる際限も無い連鎖をスタートさせてしまった。諸事万事、網の目のように繋がっているのがフイールドでの活動だ。