トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

二重基準はいけません、と言えども…

2019-02-04 | 小人閑居して憮然
 水回りの途中、上の池の水位が低い。隣沢からの送水に滞りは無く、思い当たるのはただ一点「オーバーフローを崩された!」に尽きる。
 案の定、オーバーフロー部の上手と下手の二か所で土嚢が外され、その間の2m程ある埋め立て部に水路を穿ってある。

 保水や湛水構造の保全補修は小生が行っているけれど、実質の勢力圏下にある訳では無く、断りを入れて設えてもかような結果になるのがうっとおしい。このオーバーフロー部は侵食溝となっていて、池の水位を保つために土嚢を積み土砂を投入してようやく安定してきた構築部なのである。度重なる漏水の解消に費やした労力は構築部を見ても想定すら出来ないのだ。

 このオーバーフロー部の改修も長年の土砂堆積の結果、池の水位が浅くなり生物環境に影響が出るのを防ぐために行った湛水構造でもあるのだ。流入する土砂を少しでも防ぐ設えは「猪が掘り起こすから」と否定され、「冬場の水位は越冬生物の保護のために上げます」と了解を得て10㎝ほど上げただけなのだが気にくわなかったらしい。

 池の土砂堆積が進み、浅くなっても浚渫など出来ない労力環境下では、とりあえず水位を上げて対応するしか方法は無く、これも現実には手詰まりするが、その頃には活動できない年齢層の人ばかりである。それでも保全は必要で、水深維持や埋没阻止と言う重要項目、そこに二重基準、保全実務者と勢力圏者の認識の異なりは情けないの一言だ。

 かような二重基準、二枚舌は現役の頃にもお役人と多々遭遇してきた事柄でもあって珍しくも無いけれど、財務省と言え厚労省と言え、文科省と言え、内閣もその例にもれずお役人、お役人上がりの情けなさにはつける薬などあるのだろうか。
 愁眉の焦点、差し迫った課題等々、優先順位さえ選択できない政国家になり果ててしまった。耳目を海外に転じても、どこも似たような状況が伺えるし、この同質性は何に由るのか、まさかグローバルスタンダードではあるまい。勿論、愚弄張るスタンダードには間違いないが…。

 立春となってフイールドも本格的作業を開始せねばならない時期となったが、春の喜びは豪雪地帯で無い事もあって少年時代ほどは無いのが惜しい。

             流入部   ➡    排水部

                  立春か大の字になる朝ぼらけ