トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

ニホンアカガエル産卵域の保全作業

2019-10-04 | 水辺環境の保全
 前日に護岸用の資材を林内で伐採し林道わきに置いたのを現場まで曳くのから作業を開始する。都合3本を曳いたのだがこれだけで汗ばんでしまった。曇天だったとはいえ力仕事には涼しさは無縁の残暑であった。

 曳くのはロープでなくトビを打ち込んで曳いたのだが突然抜ける事が多いので気を遣う。ロープでも良いのだけれど擦れて傷むし泥で汚れるしで使いたくない。ロープだと抜ける事はまず無いものの、どちらも一長一短ある。トビを打っての曳き回しは一体感がある反面、突然すっぽ抜け柄の先端が腹部や胸部を直撃・心停止なんて可能性も無きにしも非ずだしバランスを失い大転倒なんて事態もありうるのだった。

 とにもかくにもそのような事態にはならないだけを気を付けて所定の場所まで曳き、並べる位置の見当を確認してから据えた。据えること自体は楽勝の部類だけれど足場が泥濘部なので、これはこれで動き難い。自ら行っている作業に文句を言っても始まらないからそこは粛々と行って済ましたのだが来春の事とは言え、準備が整ったので一安心だ。
 この付近はニホンアカガエルが産卵をしている場所で、威野志士様が水際を掘り崩さなければ余計な設えはしたくなかったものの掘り崩すことは周年の出来事で、そのために水域が浅くなる一方なのだった。そのうえ水深10㎝程度での維持だからひとたび漏水すれば真っ先に干上がってしまう。産卵後は湛水第一で気を遣う場所だ。

 産卵場所を観察すると「日陰・浅瀬・止水」の三条件があるようで、ヒキガエルは「日向・浅瀬・止水域」とお互い一線を画している。それに合わせヒキガエル用には棚田部の手入れを済ませてあるが、ヒキガエルの産卵はニホンアカガエルほど神経質でなく、体格通り鷹揚な選択なので、あえて用意せずとも好きなところで産卵している現実もある。
 とりあえずニホンアカガエルの産卵域の準備を済ましたから、これからの水辺の手入れは水見回りしながら対処していけば良いだろう。

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