トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

台風一過ズガニ一匹

2019-10-16 | 小父のお隣さん
 19号台風の雨量は恐るべきものだった。当地でも390mmの雨量を観測しているのだが時間雨量は40mm未満なので河川の流量をオーバーする事が無く、コース中央に接近していた位置であっても杞憂された結果をもたらすことなく去ってくれたのだった。それにつけても未曽有の大水害に見舞われた地域は「晴天の霹靂」いいえ空前絶後の背水の陣ならぬ「地区浸水の驚天動地」だったに違いない。察するに余りある。

 台風一過の秋晴れの朝、矢も楯もたまらず水回りと巡回のためにフイールドに入った。途中、水源地へ向かうために尾根の突端を回り込んでいる時に足元にズガニがいた。水域とは離れている場所なので怪訝に思ったものの漏水の張本人になりかねないから捕獲した。ゴム手袋などは背の背負籠の中なので素手で押さえたのがいけなかった。甲羅の突起で親指の先を突いてしまったのだ。
 痛みよりもカニを宿主にしている感染症が怖い。しっかりと口吸いし吐き出すこと数回、杞憂と思えどやらないよりは安心なのだ。このズガニ、会友のYさんへのご進物となった。今頃はすり身の味噌汁か・・・。

 集落を流れる河川の中は出水で洗われ綺麗に見通しがきくようになっていた。普段はススキ、ジュズダマ、カナムグラなどが生い茂って流路さえ見えなかったのが見通せるようになっている。この流れにいたアブラハヤやヨシノボリは生き残っただろうか。出水でウオータースライダー状態だったろうからヤゴなども全滅した可能性がある。来季の出現数は減るのはお約束だろう。

泥水池1の落ち口改修

2019-10-16 | 水辺環境の保全
 丸太でオーバーフロー部の堰を設えてあるために下部になっている部分から水抜けし易い造作だ。ここにサワガニやイモリ1匹が住み着けばほどなく漏水していく。こうなると土嚢で押さえても土を押し込んでも「やらないよりはマシ」でしかないし水見回りの重要性もこれにある。

 今回、腐食材であるといえど梁材が出たのでこれを既存の丸太の堰に沿わせた。天地の高さは丸太材よりあるし、底面は円弧の丸太材より深く入りかつ幅がある。これこそ水抜けしてしまう条件を大きく減じる要素なのだ。
 既存の護岸丸太と傾斜流路に洗堀防止に並べたコンクリート片を片付けて梁材を据えた。据えた高さは丸太の堰の水位線に等しくするために最終調整はカケヤで叩いて沈める。これで水位は変わらずに水抜けを防止出来たことになる。

 この池からトンボ池に分水しており、この池からの流入水はトンボ池の生命線でもある。この池の落ち口から水抜けが発生するとトンボ池への分水が絶たれて干上がってしまうのだ。そのため分水池2,3,4への水の供給よりトンボ池への送水を優先する構造なので、この堰のオーバーフロー部は分水バランスを設定している関係で他の池のそれよりも重要なのだった。今回、据えることは叶ったけれど分水量の調整は両方を見ながら塩梅をする。ミリ単位の調整だけれど必須である。

      改修前   ➡    護岸構造を外す  ➡   改修終了