トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

絶望ではなく不可能

2020-04-05 | 小人閑居して憮然
 庭にある池はタナゴの飼育に使っているけれど肝心のタナゴたち、飼育5年目に入った今春、日々次々と数を減らしてきた。3月中旬は産卵籠に集まっていたタナゴも次々と姿が無くなって誰も寄り付かない日々が続く。集魚ペレットを沈下させれば集まっていた魚体もみられず、箱眼鏡で水中を伺うと昨年孵化した3匹とドジョウしか見いだせなかった。これでは今期も来季も産卵は不可能なのだ。
 ものの本では「タナゴの寿命は四年ほど」とあるから、既に飼育初めには成体だった群れの寿命が尽きたものと考えるしかない。

 そこで考えた。このまま池を維持しても得るものはなく、水槽で飼育している魚群を池に入れる事にした。池のタナゴと同種なのかどうか分からないけれど、仮に池の3匹と水槽の二十数匹が別種でも飼育を全うさせるから差し支えないだろう。ただ残念なことは人工産卵床の試みを始めたばかりなのに、このことがあったため今期は見送る事にした。
 池の中の購入した鳥取産のシジミは全滅し、人工産卵床の容器に入れたシジミは2個生存している。この残った二個体は池に戻さず「浮揚水槽」で維持する事にした。既に数世代を重ねている魚沼産のマシジミは全く姿を見せていないけれど、産卵用母貝を掘り出したときに多くを確認しているから大丈夫だろう。

 水槽から池に入れた魚群は産卵籠の貝に集まるそぶりも無く、群れを維持したまま池の中を巡っている。様子を確認している風でもあるが、水槽にいた時よりのびのびしており、影を落としても慌てふためく行動は見せていない。体形が小さいから今期は産卵するとは思えないもの次のシーズンに期待しながら二枚貝の肥培に努めたい。