
しかしY川の三面張りの河床の中は菜の花が満開なのだった。アブラナなのか花菜なのか品種までは判別できないけれど、川筋を長く覆い隠して居る様は久しぶりに見る「菜の花畑」の感があった。しかしながらいささか閉口したのは香りが充満して強烈過ぎた。風に乗って流れてくるくらいなのなら心地よいと感じただろうに見た目より香りについていけない。
水仙の花の香りも頭痛を起こす香りで、これも見た目で心地よくても体感で逃げたくなるのだ。
あまりにも香りが強いし花は続くし、河川に咲く花であるから摘んでも咎められない。ここに注目して「花1kg」採集し芳香蒸留水を作ってみたくなった。水仙の時は青臭い臭いも入ってしまったけれど菜の花はどうだろうか。摘んで戻りたかったけれど散策の足拵えで河原に降りれない。翌日以降にしても花は十分すぎるほどあるので準備をして「お花摘み」に来よう。

すべては色即是空・空即是色、年年歳歳同じように思えてもそれはまどろみにいるような幻でしかないのかもしれない。