トロルお爺の”Satoyaman”林住記

生物生産緑地にて里山栗栄太が記す尻まくりワールド戯作帳

今日のトンボ「見ていながら観ていない」

2021-06-20 | 小父のお隣さん
 帰り間際、駐車場でS先生やSさんなどと立ち話している前をオオシオカラトンボのメスが通り過ぎたのだが、突然地上に落下したのだ。何事かとSさんが拾いに行ってきたのだが特段の傷や破損は見られなかった。翅周りも傷みもなかったので不思議だったのだが「ツバメに捕獲された可能性もある」とS先生は空を飛ぶツバメを追いながら推定してくれた。

 思い起こせば郷里の玄関土間の上にツバメの巣があって、板の間に上がれば大人なら手が届く距離だった。雛が孵ると親ツバメは玄関のガラスを外した戸の格子を飛びぬけて餌を運んでいた。その中にトンボはかなりあって取り落としたトンボは土間の上で息絶え絶えに動いているのは毎日のように見ていたものだ。
 しかしながら昨今の郷里は水田稲作地帯にもかかわらずツバメもトンボも飛んでいないし田んぼの中や水路にも生物の動きさえない環境になってしまった。

 それはともかく、生の生きているトンボを久しぶりに手にしたのだが、その時に気が付いたのは「翅端の黒いグラデーション」である。「こんな風な翅だったのか」と今更ながら造形の妙に感心してしまった。まあ、ただそれだけの事なのだが、この感じ好きです。

           

キジョラン、ノアザミのポット上げ

2021-06-20 | 蝶の食草園
 キジョランの播種は3月10日に一回目、4月6日に二回目を行った。2回に分割したのは特段の理由があった訳でもないが敢て言うなれば全滅を防ぐ一手法と言って良いだろう。その初回に播種した平鉢の発芽が遅く、キジョランの発芽は「腐ったかも…」と思えるほど時間が必要なのが経験値だが、2回目の播種分より大幅に遅れて発芽してきた。

 2回目の播種はS先生のアドバイスに従いロングポットに複数蒔きで複数株立ち仕様にする設えをしてある。小生は今まで1本立ちで定植してきたが損なわれてしまうとその場所では失われてしまうので、複数本立ちの方が株を維持するには確かに安心なのである。
 そのロングポット苗の発芽が早く、平鉢蒔きの種子が遅かった理由は不明なのだが10本ほど双葉を持ち上げてきた。本葉も出ていない状態での移植は時期尚早なのは自明の理であるものの「平鉢」と言う環境を考慮すると根が伸びないうちに移植した方が、その後の育ちに差し支えが少ないだろうとの読みなのである。
 まだ軟弱な発芽直後なので失う可能性は大であるものの既にロングポットの苗は健在だし、遅れて発芽した平鉢の苗もロングポットに鉢上げした方が後々の管理がやりやすくなるだろう。
 赤子同様、丁寧に優しく扱ったが種子殻を鉢担ぎ姫のごとく被ったままの幼苗2本は折れてしまい生育不能になったのだが他の苗はどうにかロングポットに移し替えた。木陰で数日過ごさせたが萎れる苗は無かったから何とか無事活着にこぎつけそうである。これで複数苗を植え付けたロングポットは10ポットになったので、割と定植場所の自由度が上がり、チャレンジ定植も可能になるだろう。

 ノアザミは今期の種子を箱蒔きして既に双葉が出ており、フジバカマとオミナエシを定植しポットが空いたので早速ポットに上げた。総数は60ポットを超えたがトンボ池横の平地には囲いを設え直播してあるから、出来た苗は突端台地の一画に群植する。定植は活着を梅雨の間に済ませたいので10日ほどポットで養成してから行いたい。その準備として唐鍬で耕起しネザサの根茎を除き豆トラで耕転砕土しなければならない。水域の除草も必須な頃合いで少々せわしない気分だ。

 なぜここまでノアザミなどに拘る理由は「大型のチョウの減少傾向著しい」事にあって、食草はあるものの成チョウの吸蜜植物が少ない印象も捨てきれないからである。まあ、「焼け石に水」に近いだろうけれど眺めているだけでは進まないし「灯篭に肥後守」であっても「やってみなけりゃ分からない」事もある。しかしなんだノアザミに続く蜜源植物が「ンーッ…」なのである。まあ、一憂浮かべば一毛脱落、てなもんや三度笠。