バーストさせてしまったタイヤ交換を待つ間、近くの河川敷を散歩していたら松並木が見えてきた。この並木、落枝、落葉で物議をかもしだした並木なのだが、顛末は知らない。
本はと言えば、管理当局の思慮分別・常識欠如に起因すると思っているのだが、下枝を伐られた松は、すでに松の風情がない。その昔、新潟平野の風景を形作っていたハンノキの並木に似て、小生にはなつかしい立ち姿になってしまった…。実家のハンノキ並木は耕地整理で消失した。
この松の処理、そもそも造園業者に委ねないで土木業者に任せたのが間違いだ。景観的にも松の風情を失って、クレームの原因除去とはならず、高いところからの枝葉を落とし続けることになる。「餅屋は餅屋」である。
数百メートル上流の松並木は、今回の騒動顛末の中に入っていないようだが、見れば高さが抑制され、一部は松の風情を保っている。素人目にも「なんでこうなるの!」と思ってしまった。かの一本松も「復元保存」と言っているが、あれは「レプリカ」だ。加工業者の談によれば「不世出の良材」だったとか…。丸太で保存すべきではなかったか…。
寒の入り冬芽は固く地も固し
裸木の中でクヌギはボロまとう
サンザシの実も減りたるや寒の明け
寒明けや二十一度の馬鹿陽気
寒戻る霜をまぶしてフキノトウ
竹林でシマヘビに出合ってしまった。「出会い」など、とんと縁のなくなった小生だが、フイールドでは、まだまだ捨てたものではない。
出合い頭だったから、正真正銘の「出会い」である。ヘビもびっくりしたようでまったく動きを止めている。こんな時に限って、小生はケータイを持参しなかった。後ろに続いた会友のケータイで撮影させてもらい、メールで入手したのが今回の写真。
体長120センチほどの大ヘビだったが胴径はソーセージより細く、盛期に見るより細身だ。其のせいか骨格が浮き出ているような角ばった体型だった。越冬から目覚めてもエサの少ない時期でもあるし、エネルギーを消費しないために動かなかったのかもしれない。
それはともかく「お久しぶり!」、そんな気分である。
ふたとせを経ても故郷影もなき破壊の跡に芽吹くは野草
入りたき仮設さえすら届かねば今は異郷で山並み眺む
彼岸会に会えたき事もかなわずに越えがたきかなこの規制線
はや二年難民同様仮住まい戻る術なく戻れる地無し
葬列も無く不明者は壇を出で無縁で還る悠久大地
援農で定植の苗花咲くと賀状は届く寒入りの日に
氷結の池を巡ればサクサクと音も涼しき霜柱踏む
氷結の下を走るや小メダカの先はどこぞや藻草も無きに
水音の場所は凍らず開きおる波紋は帰る生まれた場所に
声もなく氷下のメダカわらべ見る
氷無き水面に足を踏み出す児
アカチャンと萌えし野草へ指を指す
しっかりと握るタンポポ虫の息
タンポポは御浸しになり差し出され